シンガポール:通商産業省および税関による「先進半導体およびAI技術の輸出管理に関する共同勧告」の公表
長島・大野・常松法律事務所
弁護士 松 﨑 景 子
1 はじめに
2025年4月4日、シンガポールの通商産業省(Ministry of Trade and Industry)と税関は、「先進半導体および人工知能(AI)技術の輸出管理に関する共同勧告(Joint Advisory: Export Controls on Advanced Semiconductor and Artificial Intelligence (AI) Technologies)」を公表した。
近年、半導体やAI等の先進技術が軍事・安全保障目的に転用されるリスクへの懸念が高まる中、各国において輸出管理の規制強化と執行の厳格化が進められている。シンガポールにおいても、2025年2月、米国の輸出規制を回避する目的で、米国製AIチップをシンガポール経由で中国のAI企業に迂回輸出した疑いにより、関係者がシンガポール当局に逮捕・起訴される事案が発生し、国内外で注目を集めた。
本勧告は、こうした情勢を踏まえて発出されたものであり、企業にとって、輸出管理に関する適切な対応を講じるための重要な指針となると考えられるため、本稿ではその概要を紹介する。
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(まつざき・けいこ)

長島・大野・常松法律事務所シンガポールオフィス所属。2016年慶應義塾大学法科大学院修了、2017年長島・大野・常松法律事務所入所。入所以降、M&A・コーポレート案件、競争当局への企業結合審査対応等を中心に、国内外の企業法務全般に従事。2024年にSingapore Management University(LL.M.)を修了し、2024年8月よりシンガポールオフィス勤務。現在は、東南アジア諸国への日本企業の進出支援、東南アジア地域を中心とするM&A案件その他の国際企業法務に従事している。
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