速報・詳解 会社法改正動向
第2回会議 速報
アンダーソン・毛利・友常法律事務所*
弁護士 坂 本 佳 隆
弁護士 佐 賀 洋 之
1 第2回会議の実施
2025年5月21日、法制審議会会社法制(株式・株主総会等関係)部会(以下「本部会」という。)の第2回会議が開催され、同23日に議題、議事概要および部会資料等が法務省内の本部会のウェブサイト[1]において掲載されている。
本連載の第1回会議(速報)にて概説したとおり、本部会の第1回会議において、本部会で見直しを検討すべき事項の例が提示されている(当該事項に検討範囲が限定されるものではないことについては、第1回会議(速報)をご参照)ところ、第2回会議では、議題が「株式の発行の在り方に関する規律の見直しに関する論点の検討」と設定され、以下の3点が具体的検討事項として提示されている。
(表1)第2回会議における検討事項
No. | 検討事項 | 概 要 |
1 | 株式の無償交付の対象範囲の見直し | 従業員および子会社の取締役、上場会社以外の株式会社等を念頭に置いた対象範囲の見直し |
2 | 株式交付制度の見直し | 利用できる範囲の拡大や手続の簡素化 |
3 | 現物出資制度の見直し | 検査役の調査を要しない範囲の拡大、関係者の不足額塡補責任の緩和 |
本稿では、第2回会議の「速報」版として、第2回会議の議事の概要を、公開された部会資料を踏まえて解説する。なお、第2回会議の議事録については、一定期間経過後に公開されることが想定されており、本部会での実際の議論状況については、「詳解」版において以下の各論点の詳細と併せて解説予定である。
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(さかもと・よしたか)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー。2006年東京大学法学部卒業。2008年東京大学法科大学院卒業。2009年弁護士登録(第二東京弁護士会)。2012年~2013年東京大学法科大学院非常勤講師。2016年米国University of Southern California (LL.M.)卒業。2016年~2017年米国ロサンゼルスのReed Smith法律事務所勤務。2017年~2019年に法務省民事局へ出向し、令和元年改正会社法の企画・立案を担当。2019年カリフォルニア州弁護士登録。主に、M&A及び会社法関連業務を扱っている。
(さが・ひろゆき)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー。2012年東京大学法学部卒業・2014年東京大学法科大学院修了。2015年弁護士登録(第一東京)。2021年米国Columbia University School of Law (LL.M.)修了。2022年ニューヨーク州弁護士登録。主に国内外のM&A、ベンチャー投資、一般企業法務、株主総会対応等のコーポレート案件を取り扱っている。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/
<事務所概要>
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業は、日本における本格的国際法律事務所の草分け的存在からスタートして現在に至る、総合法律事務所である。コーポレート・M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、知的財産、労働、紛争解決、事業再生等、企業活動に関連するあらゆる分野に関して、豊富な実績を有する数多くの専門家を擁している。国内では東京、大阪、名古屋に拠点を有し、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ハノイ、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ等のアジア諸国およびロンドン、ブリュッセルに拠点を有する。
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* 「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業および弁護士法人アンダーソン・毛利・友常法律事務所を含むグループの総称として使用