SH5490 物流関連の法令改正に関する最新の動向――トラック事業適正化関連法・物効法施行令改正案の概要 寺﨑玄/山田智希/長谷川達(2025/06/19)

取引法務業法・規制法対応

物流関連の法令改正に関する最新の動向
――トラック事業適正化関連法・物効法施行令改正案の概要――

アンダーソン・毛利・友常法律事務所*

弁護士 寺 﨑   玄

弁護士 山 田 智 希

弁護士 長谷川   達

 

1 はじめに

 物流は、国民生活および経済活動の基盤であるとされている一方、ドライバーの担い手不足により、2030年には輸送能力が34%不足する可能性があると考えられている。こうした危機を回避するため、現在、法令改正を始めとする様々な取組みが行われている。

 担い手不足の解決には、エッセンシャルワーカーであるトラックドライバーの経済的社会的地位の向上等により、わが国の物流の持続可能性の確保および国民経済の健全な発展を図り、トラックドライバーの適切な賃金の確保とトラック運送業界の質の向上等を目的とすることが不可欠である。2025年6月11日[1]に公布された、貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律[2](以下「改正貨物自動車運送事業法」という。)を含むいわゆる「トラック事業適正化関連法」は、そうした課題の解決を目指す法改正として注目される。

 他方、物流に関する課題は、運送事業者のみならず、荷主を始めとする多様な関係者がこれを社会全体の問題ととらえ、解決に向け連携することが重要である。2025年4月には、流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律を改正した物資の流通の効率化に関する法律(平成17年法律第85号)(以下「物効法」という。)の一部が施行され、2026年4月には、一定規模以上の貨物の運送を委託する特定荷主等に対し、運送事業者の負担を軽減するための様々な施策を講じているか政府に報告する義務を課す改正の施行も予定されている[3]。そうした義務の対象となる事業者等の基準について、これを具体化する同法施行令の改正案(以下「本改正案」という。)が2025年5月21日に公表され、パブリックコメントの手続に付された[4]

 このように、物流分野では近時、重要な法令改正が頻繁になされていることを踏まえ、本稿でも、そうした動向を整理する一環として、上記の法改正等の概要について紹介することとする。

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(てらざき・まこと)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー。2004年東京大学法学部卒業。2006年東京大学法科大学院卒業。2007年弁護士登録(第一東京弁護士会)。2008年10月~2010年3月東京大学法科大学院非常勤講師。2011年12月~2013年6月国土交通省航空局に出向。主要な業務分野はPFI/PPPを含むプロジェクトファイナンス、物流・建設関係業務、経済安全保障・通商、不動産関連業務、M&A等。

 

(やまだ・ともき)


アンダーソン・毛利・友常法律事務所シニア・アソシエイト。2017年東京大学法学部卒業。文部科学省勤務を経て、2018年弁護士登録(第二東京弁護士会)。2024年英国King’s College London, University of London (LL.M.)。2025年英国弁護士(Solicitor, England and Wales)登録。コーポレートガバナンス・グローバルコンプライアンス、国内外のM&A・組織再編のほか、航空宇宙、海事、物流、交通、建設、教育、ヘルスケアをはじめとする幅広い産業分野における法的サポートを提供している。地方自治体関連案件にも積極的に取り組んでいる。

 

(はせがわ・いたる)


アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。2021年中央大学法学部卒業。2022年東京大学法科大学院中退。2023年弁護士登録(東京弁護士会)。

 

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/

<事務所概要>
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業は、日本における本格的国際法律事務所の草分け的存在からスタートして現在に至る、総合法律事務所である。コーポレート・M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、知的財産、労働、紛争解決、事業再生等、企業活動に関連するあらゆる分野に関して、豊富な実績を有する数多くの専門家を擁している。国内では東京、大阪、名古屋に拠点を有し、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ハノイ、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ等のアジア諸国およびロンドン、ブリュッセルに拠点を有する。

<連絡先>
〒100-8136 東京都千代田区大手町1-1-1 大手町パークビルディング

 


* 「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業および弁護士法人アンダーソン・毛利・友常法律事務所を含むグループの総称として使用

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