SH5511 集団投資スキーム持分の適用除外となる持株会に係る権利の範囲の拡大等に係る改正 齋藤宏一/早瀨孝広/津江紘輝/重枝綾音(2025/07/11)

組織法務経営・コーポレートガバナンス

集団投資スキーム持分の適用除外となる持株会に係る権利の範囲の拡大等に係る改正

アンダーソン・毛利・友常法律事務所*

弁護士 齋 藤 宏 一

弁護士 早 瀨 孝 広

弁護士 津 江 紘 輝

弁護士 重 枝 綾 音

 

1 改正の概要

 近時、持株会を用いて譲渡制限付株式を役職員に付与する制度など、従来から存在する持株会を新しい形で活用した株式報酬制度の導入が見受けられる。そのような中、金融庁は、令和7年4月11日、集団投資スキーム持分の適用除外の対象となる役員・従業員持株会の範囲の拡大を含む、金融商品取引法第二条に規定する定義に関する内閣府令(以下「定義府令」という。)等の改正(案)を公表し[1]、パブリックコメントを開始した[2]。同年6月11日、そのパブリックコメントの結果等が公表された[3]。ここでの主な改正項目は以下のとおりである。

 

①     

金融商品取引法第二条に規定する定義に関する内閣府令

a. 役員・従業員持株会に関する範囲拡大

b. 拡大役員・従業員持株会[4]に関する範囲の明確化

②     

有価証券の取引等の規制に関する内閣府令

a. 子会社株式の現物配当に関する空売り規制の適用除外

b. 持株会に関する改正(持株会に関する売買報告書等の適用除外に係る改正、各組合員の持株会退会時の一単元未満の株式の売却処理に伴う持株会の売買報告書等の適用除外に係る改正)

c. 自己株式取得規制における立会外取引による自己株式の取得要件の追加

d. 株券等の買集め行為の決定に関する事実の軽微基準として個人と資産管理会社の間の株券等の移転を追加

③     

上場株式の議決権の代理行使の勧誘に関する内閣府令

a. 電子提供措置がとられている場合の委任状参考書類の記載の省略に関する明確化

b. 電子提供措置がとられている場合の委任状用紙・委任状参考書類の写しの提出の除外に関する明確化

 

 上記の改正(以下「本改正」という。)のうち、上記②c.に関しては令和7年8月1日施行とされた。それ以外の改正事項については、同年6月12日から施行されている。また、持株会に関する上記改正を踏まえて、6月12日付で、日本証券業協会は「持株制度に関するガイドライン」を改正している[5]

 本稿では、上記の改正のうち、持株会に関する部分に焦点を当ててその内容を概説する。

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(さいとう・こういち)


アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー。
「日本企業を元気にする」ことをミッションとし、国内・グローバル案件を問わず、インセンティブ報酬案件を数多く手掛け、日本におけるこの分野の第一人者。また、サステナビリティ法務、特にビジネスと人権に関連する案件の助言も行っている。1999年東京大学法学部卒、2008年ハーバード・ロースクール修士課程(LL.M.)修了。

 

(はやせ・たかひろ)


アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー。
2009年早稲田大学大学院法務研究科修了。2010年弁護士登録(第二東京)。2017年ハーバード・ロースクール(LL.M.)修了、2017-2018年米国Pillsbury Winthrop Shaw Pittman法律事務所(ロサンゼルス)勤務。2018年ニューヨーク州弁護士登録。国内及びグローバルのインセンティブ報酬の導入・運用等を含むコーポレート案件を中心に取り扱う。

 

(つえ・ひろき)


アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。
2015年東京大学法学部卒業。2017年3月東京大学法科大学院卒業。2019年弁護士登録(第一東京弁護士会)。2022年7月から2024年3月まで金融庁企画市場局市場課にて勤務し(課長補佐)、令和5年及び令和6年の金融商品取引法等の改正などに携わる。2024年4月に前記法律事務所に帰任。金融規制法、情報法、税務をはじめ、一般企業法務を広く取り扱う。

 

(しげえだ・あやね)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。
2022年京都大学法学部卒業。2024年京都大学法科大学院卒業。2025年弁護士登録(第二東京弁護士会所属)。

 

 

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/

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