EU理事会、企業サステナビリティ報告(CSRD)およびデューディリジェンス(CSDDD)指令の簡素化に係るオムニバス法案の交渉方針を発表
アンダーソン・毛利・友常法律事務所*
弁護士 横 井 傑
弁護士 新 庄 絢
1 はじめに
EU理事会(閣僚理事会)は、2025年6月23日、欧州委員会が同年2月26日に公表したサステナビリティ関連の開示義務やデューディリジェンス実施義務を大幅に簡素化する一連の法案(以下「オムニバス法案」という。)のうち、企業持続可能性報告指令(以下「CSRD」という。)、企業持続可能性デューディリジェンス指令(以下「CSDDD」という。)に関する部分について交渉方針を固めたことを発表した(以下「EU理事会案」という。)[1]。
オムニバス法案は、欧州委員会が2025年1月29日にEU域内企業の行政事務負担の軽減による競争力強化等を掲げて発表した「競争力コンパス(Competitiveness Compass)」を加速させる目的で策定されており、CSRD、CSDDDに加え、炭素国境調整メカニズム規則(CBAM)、EU投資規則およびEUタクソノミー規則の対象企業の縮小等を進めるものである[2]。
本稿では、EU理事会案の主要なポイントを紹介する。
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(よこい・すぐる)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー。2005年慶大法学部卒業。2009年早大ロー修了。2010年弁護士登録(第二東京弁護士会)。2020年Georgetown Law(LL.M)修了。元AMT北京オフィス・上海オフィス代表。2021年より香港提携事務所Nakamura & Associates外国法登録弁護士。主な取扱分野は、中国・香港法務、経済安全保障・通商法務、サステナビリティ法務等。
(しんじょう・あや)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。2020年慶應義塾大学法学部卒業。2022年東京大学法科大学院修了。2023年弁護士登録(第二東京弁護士会)。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/
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