SH5529 産業構造審議会イノベーション・環境分科会 排出量取引制度小委員会(第1回)を開催 宮川賢司/香川遼太郎/新庄絢(2025/08/01)

組織法務サステナビリティ

産業構造審議会イノベーション・環境分科会
排出量取引制度小委員会(第1回)を開催

アンダーソン・毛利・友常法律事務所*

弁護士 宮 川 賢 司

弁護士 香 川 遼太郎

弁護士 新 庄   絢

 

1 はじめに

 2025年5月、2026年度からの義務的な排出量取引制度(以下「GX-ETS」という。)の導入を含む「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律」の改正(以下「2025年改正GX推進法」という。)[1]が成立した。2025年1月の第二次トランプ政権誕生により気候変動対策を緩和する動きもみられる中で、わが国としては、2050年カーボンニュートラルの実現と経済成長の両立を実現するための施策を維持することを正式に示したものといえる。

 そのような中、経済産業省の産業構造審議会イノベーション・環境分科会は、2025年7月2日、GX-ETSの制度設計に関する技術的事項を審議することを目的として、排出量取引制度小委員会(以下「小委員会」という。)(第1回)を開催した[2]

 2015年のパリ協定採択以降、気候変動対策が世界的な規模で推進され、カーボン・クレジットの取引も拡大・多様化している。コンプライアンス市場としてのEU排出量取引制度(以下「EU-ETS」という。)等における取引が活性化されている一方、制定法に基づく制度ではないボランタリー・カーボン・クレジット(以下「VCC」という。)の取引も増加している。もっとも、EU-ETSや他国の排出量に関する取引制度では、透明性・健全性(Financial Integrity)確保のために「登録確認機関(verification body)」による第三者保証が制度の前提となっている点が指摘されている。そうした制度を踏まえて、制度の技術的・制度的基盤を国内導入に向けて整えていく必要がある。

 このような観点も踏まえ、小委員会による審議が注目される。本稿では、小委員会(第1回)での審議事項[3]を概観する。

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(みやがわ けんじ)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所スペシャル・カウンセル弁護士。1997年慶應義塾大学法学部卒業。2000年弁護士登録(第二東京弁護士会)。2004年ロンドン大学(University College London)ロースクール(LL.M.)修了。2019年から慶應義塾大学非常勤講師(Legal Presentation and Negotiation)。国内外の金融取引、不動産取引、気候変動関連法務および電子署名等のデジタルトランスフォーメーション関連法務を専門とする。

 

(かがわ・りょうたろう)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。早稲田大学法学部卒業。2022年弁護士登録(東京弁護士会)。執筆として「非化石証書の制度と実務」(NBL2023年11月1日号)等。

 

(しんじょう・あや)


アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。2020年慶應義塾大学法学部卒業。2022年東京大学法科大学院修了。2023年弁護士登録(第二東京弁護士会)。

 

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/

<事務所概要>
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業は、日本における本格的国際法律事務所の草分け的存在からスタートして現在に至る、総合法律事務所である。コーポレート・M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、知的財産、労働、紛争解決、事業再生等、企業活動に関連するあらゆる分野に関して、豊富な実績を有する数多くの専門家を擁している。国内では東京、大阪、名古屋に拠点を有し、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ハノイ、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ等のアジア諸国およびロンドン、ブリュッセルに拠点を有する。

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