インド:雇用連動型インセンティブ・スキーム
長島・大野・常松法律事務所
弁護士 山 本 匡
1 はじめに
インド政府は、2024年7月に公表した2024-25年度の予算案において、雇用政策の一環として雇用連動型インセンティブ(Employment Linked Incentive)を実施する予定であることを公表していたが、2025年7月1日、雇用連動型インセンティブ・スキーム(以下「ELIスキーム」)を閣議で承認した。ELIスキームは、特に製造業を中心としつつ全産業における雇用創出、技能の向上と社会保障を強化することを目的とし、今後2年間で3,500万人の雇用を創出することを目指している。ELIスキームの予算額は9,944億6,000万ルピー(約1兆7,105億円(2025年7月25日時点))である。
ELIスキームは、2025年8月1日~2027年7月31日の間に創出された雇用を対象とし、新規就労者を対象としたPart Aと雇用主を対象としたPart Bから構成される。それぞれのインセンティブの概要は以下の通りである。受給要件等に不明点もあり、今後詳細が明らかにされることが期待される。
この記事はプレミアム向け有料記事です
続きはログインしてご覧ください
(やまもと・ただし)
2003年弁護士登録。2009年から2017年にかけて、インド・シンガポールで勤務。2015年からヤンゴンにて随時執務。新興国を中心に海外進出、各種リーガル・サポートに携わっている。
長島・大野・常松法律事務所 http://www.noandt.com/
長島・大野・常松法律事務所は、600名以上の弁護士が所属する日本有数の総合法律事務所です。企業法務におけるあらゆる分野のリーガルサービスをワンストップで提供し、国内案件および国際案件の双方に豊富な経験と実績を有しています。
当事務所は、東京、ニューヨーク、シンガポール、バンコク、ホーチミン、ハノイ、ジャカルタ*および上海にオフィスを構えています。また、東京オフィス内には、日本企業によるアジア地域への進出や業務展開を支援する「アジアプラクティスグループ(APG)」および「中国プラクティスグループ(CPG)」が組織されています。当事務所は、国内外の拠点で執務する弁護士が緊密な連携を図り、更に現地の有力な法律事務所との提携および協力関係も活かして、特定の国・地域に限定されない総合的なリーガルサービスを提供しています。
(*提携事務所)
詳しくは、こちらをご覧ください。