SH5568 米政府、商業宇宙産業における競争力の強化に関する大統領令に署名 清水亘/山田智希/新庄絢(2025/09/11)

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米政府、商業宇宙産業における競争力の強化に関する大統領令に署名

アンダーソン・毛利・友常法律事務所*

弁護士 清 水   亘

弁護士 山 田 智 希

弁護士 新 庄   絢

 

1 はじめに

 米国のドナルド・トランプ大統領は、2025年8月13日、宇宙分野の規制緩和やインフラ開発の推進、認可手続の簡素化・効率化、行政組織の強化など多岐にわたる施策を命じる新たな大統領令(以下「大統領令」という。)に署名した[1]。「商業宇宙産業における競争力の強化」と題されたこの大統領令は、米国宇宙産業の「革新」と「競争力強化」を国家戦略として明確化し、2030年に向けて宇宙産業競争力の飛躍的強化を目指す姿勢を示している。

 大統領令は、近時の宇宙技術をめぐる国際競争の激化や安全保障面での技術流出リスクといった新たな課題を念頭に、新たな宇宙産業や探査能力、最先端防衛システムの開発を「米国内で先導」する体制の整備が不可欠であると述べる。その上で、米国を拠点とする民間事業者の宇宙ミッション(打上げ・再突入など)の効率的な実施を後押しし、経済・国家安全保障・宇宙開発目標の実現を図ることを政府全体の方針と定めている。

 また、大統領令と併せて公表されたファクトシートは、非効率な認可プロセスは投資と革新を妨げ、打上げやインフラ開発を遅延させるだけでなく、資金力のある既存企業に有利に働き、新規参入事業者に負担を強いる可能性も強調する[2]。そして、規制改革の迅速化なくしては、米国が宇宙技術優位性を失う危険があると指摘する。

 本稿では、大統領令およびファクトシートで示された主要政策を紹介する。

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(しみず・わたる)


アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー。東京大学法学部卒業。2005年弁護士登録(第一東京弁護士会。2012年愛知県弁護士会に登録替え)。主な取扱い分野は、知的財産法、テクノロジー法。

 

(やまだ・ともき)


アンダーソン・毛利・友常法律事務所シニア・アソシエイト。2017年東京大学法学部卒業。文部科学省勤務を経て、2018年弁護士登録(第二東京弁護士会)。2024年英国King’s College London, University of London (LL.M.)。2025年英国弁護士(Solicitor, England and Wales)登録。コーポレートガバナンス・グローバルコンプライアンス、国内外のM&A・組織再編のほか、宇宙・航空・海洋分野を中心とする国際法・国際取引法関連や地方自治体関連案件に積極的に取り組んでいる。2025年8月から、ライデン大学航空宇宙法研究所にて客員研究員として航空宇宙法の研究に従事。

 

(しんじょう・あや)


アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。2020年慶應義塾大学法学部卒業。2022年東京大学法科大学院修了。2023年弁護士登録(第二東京弁護士会)。

 

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/

<事務所概要>
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業は、日本における本格的国際法律事務所の草分け的存在からスタートして現在に至る、総合法律事務所である。コーポレート・M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、知的財産、労働、紛争解決、事業再生等、企業活動に関連するあらゆる分野に関して、豊富な実績を有する数多くの専門家を擁している。国内では東京、大阪、名古屋に拠点を有し、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ハノイ、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ等のアジア諸国およびロンドン、ブリュッセルに拠点を有する。

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* 「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業および弁護士法人アンダーソン・毛利・友常法律事務所を含むグループの総称として使用

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