シンガポール:上場規制に関する近時の動向
長島・大野・常松法律事務所
弁護士 金 田 聡
1 はじめに
2025年7月に、NTT系のデータセンターREIT(データセンターを対象に運用する不動産投資信託)がシンガポール証券取引所(「SGX」)に上場された。このニュースは、世界的なデータセンター需要が高まり、今後さらなる拡大が見込まれる中で[1]、そのような成長銘柄に関する日本発のREITが、東京証券取引所ではなくSGXに上場されたことで少々驚きをもって受け止められた[2]。
SGXは、2025年8月8日に、2025年度(事業年度末:2025年6月末)における売上高及び純利益が上場以来過去最高であった旨を発表しており[3]、このようなSGXの近時の状況も踏まえ、今後、シンガポール市場に注目が集まる可能性がある。SGXに関しては、2025年2月に、金融当局であるシンガポール通貨金融庁(「MAS」)が、シンガポールの株式市場の活性化のための措置に関する提言を公表しており、かかる提言に従い、上場規制の見直しが進められているところである。今後SGXでのIPO(新規上場)やセカンダリー上場(SGX以外で既に上場している会社株式のSGXでの上場)等を検討している当事者は、このような近時の動きも考慮の上で検討を進める必要があると考えられるため、本稿では、かかるシンガポールの上場規制に関する近時の動向について触れることとしたい。
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(かねだ・さとし)

長島・大野・常松法律事務所シンガポールオフィス所属。2012年京都大学法学部卒業、2014年京都大学法科大学院修了、2015年長島・大野・常松法律事務所入所。その後、2022年University of Pennsylvania Law School修了(LL.M. with Wharton Business & Law Certificate)、Shearman & Sterling LLP(NY)勤務を経て、2023年10月よりシンガポールオフィス勤務。入所以来、M&A・企業組織再編に携わっており、現在は、アジア地域を中心とするクロスボーダーM&A・ジョイントベンチャー案件その他国際企業法務に広く従事している。
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