産業構造審議会イノベーション・環境分科会 排出量取引制度小委員会(第3回)を実施
アンダーソン・毛利・友常法律事務所*
弁護士 宮 川 賢 司
弁護士 香 川 遼太郎
1 はじめに
経済産業省の産業構造審議会イノベーション・環境分科会は、2025年9月18日、排出量取引制度小委員会(以下「小委員会」という。)(第3回)を開催した[1]。
EU排出量取引制度(EU-ETS)を始め、国際的にカーボン・クレジットの取引が拡大する中、民間団体が認証するボランタリー・カーボン・クレジット(以下「VCC」という。)の市場も活発化している。こうした多様な取引が進展する一方で、制度の透明性・信頼性の確保が課題となっており、2026年4月から開始されるわが国の義務的な排出量取引制度(GX-ETS)においても、その技術的・制度的基盤の整備が急務である。
GX-ETSの詳細を決めるにあたり、温室効果ガス(以下「GHG」という。)の排出量の算定方法、上下価格の水準、市場の運営のあり方等の制度設計に関する技術的事項を集中的に審議することを目的として、小委員会が設置された。小委員会は、これまで全3回にわたって会議を開催してきた[2]。
本稿では、小委員会(第3回)での審議事項を概観する。
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(みやがわ けんじ)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所スペシャル・カウンセル弁護士。1997年慶應義塾大学法学部卒業。2000年弁護士登録(第二東京弁護士会)。2004年ロンドン大学(University College London)ロースクール(LL.M.)修了。2019年から慶應義塾大学非常勤講師(Legal Presentation and Negotiation)。国内外の金融取引、不動産取引、気候変動関連法務および電子署名等のデジタルトランスフォーメーション関連法務を専門とする。
(かがわ・りょうたろう)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。早稲田大学法学部卒業。2022年弁護士登録(東京弁護士会)。執筆として「非化石証書の制度と実務」(NBL2023年11月1日号)等。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/
<事務所概要>
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