コーポレートガバナンス・コードの改訂に向けた有識者会議の動向
アンダーソン・毛利・友常法律事務所*
弁護士 塚 本 英 巨
弁護士 水 間 洋 文
1 はじめに
わが国におけるコーポレートガバナンス改革は、2015年6月1日の「コーポレートガバナンス・コード~会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上のために~」[1](以下「CGコード」という。)の導入から、今年(2025年)でちょうど10年を迎えた。この間、2018年6月1日および2021年6月11日の2度のCGコードの改訂を経て、独立社外取締役の増員、サステナビリティに関する取締役会の責任明確化、政策保有株式に関する開示の強化等の整備が大きく進展している。
もっとも、企業間で取組みの実質に差が見られること[2]、また、形式的な「コンプライ」にとどまっているとの指摘も根強い[3]。こうした状況を踏まえ、金融庁は、「コーポレートガバナンス・コードの改訂に関する有識者会議(令和7年度)」(以下「本会議」という。)を設置し、2025年10月21日、CGコードの第3次改訂に向けた第1回会合を開催した[4]。
本会議は、スチュワードシップ・コード[5](以下「SSコード」という。)の第3次改訂を含むこれまでのコーポレートガバナンス改革の成果と課題を総括しつつ、アクション・プログラム2025(以下にて定義する。)にて示されたCGコードの見直しを進めることを目的としている。そこで、本稿では、直近でのSSコードおよびCGコードの改革の流れを踏まえた上で、本会議において今後議論されることが見込まれる主な論点について概観することとする。
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(つかもと ひでお)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー弁護士
2003年東京大学法学部卒業、2004年弁護士登録。2010年~2013年に法務省民事局へ出向し、平成26年会社法改正の企画・立案を担当。また、2016年~公益社団法人日本監査役協会「ケース・スタディ委員会」専門委員、2017年~2022年経済産業省「コーポレート・ガバナンス・システム(CGS)研究会(第2期・第3期)」委員、2019年~2021年経済産業省「新時代の株主総会プロセスの在り方研究会」委員、2024年~2025年経済産業省「『稼ぐ力』の強化に向けたコーポレートガバナンス研究会」委員。主に、M&A、取締役会改革・株主総会対策をはじめとする会社法およびコーポレート・ガバナンス、紛争対応を扱う。
(みずま ひろふみ)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。2016年早稲田大学法学部卒業。2018年東京大学法科大学院卒業。2019年弁護士登録(第一東京弁護士会)。2024年ベトナム外国弁護士登録。2023年4月~2024年3月に大手総合商社法務部へ出向し、2024年11月からアンダーソン・毛利・友常法律事務所ベトナムホーチミンオフィスにて執務中。クロスボーダー案件を含む各種組織再編等のM&A取引およびこれに付随する取引、コーポレート・ガバナンス、紛争対応等をはじめ、一般企業法務を幅広く取り扱う。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/
<事務所概要>
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業は、日本における本格的国際法律事務所の草分け的存在からスタートして現在に至る、総合法律事務所である。コーポレート・M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、知的財産、労働、紛争解決、事業再生等、企業活動に関連するあらゆる分野に関して、豊富な実績を有する数多くの専門家を擁している。国内では東京、大阪、名古屋に拠点を有し、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ハノイ、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ等のアジア諸国およびロンドン、ブリュッセルに拠点を有する。
<連絡先>
〒100-8136 東京都千代田区大手町1-1-1 大手町パークビルディング
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