SH5643 インド:不動産登録に関する改正法案の公表 洞口信一郎/一色健太(2025/11/27)

取引法務不動産法

インド:不動産登録に関する改正法案の公表

長島・大野・常松法律事務所

弁護士 洞 口 信一郎

弁護士  一 色 健 太 

 

1 はじめに

 インドの人口増加や経済発展に伴い、レジデンスやオフィスなどの不動産マーケットの規模は着実に拡大しており、日本企業にとっても魅力的な投資先の一つとなっている。インドにも不動産登録制度は存在するが、日本のように特定の不動産の過去の権利変動が一覧できる形で登録されているのとは異なり、過去の権利変動に係る取引文書がそれぞれ登録される形式となっている。そのため、調査の対象となる土地の権利関係について確認するには、理論的には、その原始的な取得者から現在の所有者まで権利移転が有効かつ適式になされているかを、当該土地に関して登録された取引文書により確認しなければならない。州によっては書類が現地の言語により作成されていることもあり、不動産取引そのものをサポートする現地法律事務所の他に、当該不動産が所在する州の法律事務所をリテインする必要がある場合があるなど、デュー・ディリジェンスの実施に際しては、時間と費用を要する場合が多い[1]

 このような状況の中、現行法であるRegistration Act⁠, 1908(以下「1908年登録法」という。)[2]の全面改定として位置づけられているThe Registration Bill⁠ 2025(以下「本改正法案」という。)が2025年5月27日に公表された。本稿では、本改正法案の概要及び想定される実務への影響について概説する。

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(ほらぐち・しんいちろう)

2003年京都大学法学部卒業。2005年京都大学大学院法学研究科修了(法学修士)。2006年第一東京弁護士会登録(59期)、長島・大野・常松法律事務所入所。2012年Duke University School of Law卒業(LL.M.)。2012年~2013年Haynes and Boone, LLP(ダラス)勤務。

不動産関連取引(J-REIT及び私募ファンドの組成・運営、不動産ファイナンス、不動産証券化、不動産関連企業のM&A等)、日系不動産関連企業の海外不動産開発案件、プロジェクトファイナンス、エネルギーその他のインフラ関連プロジェクト等に伴う法務アドバイスを行っている。

 

(いっしき・けんた)

2015年弁護士登録(第一東京弁護士会)、長島・大野・常松法律事務所入所。2023年SOAS University of London(ロンドン大学東洋アフリカ研究学院)卒業(LL.M.)。2023年~2025年Shardul Amarchand Mangaldas & Co.(Delhi)勤務。M&A、コーポレート、国内外の危機管理・コンプライアンスに関する調査案件等に従事し、インドの大手法律事務所での出向経験を有する。

 

長島・大野・常松法律事務所 https://www.nagashima.com/

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当事務所は、東京、ニューヨーク、シンガポール、バンコク、ホーチミン、ハノイ、ジャカルタ*および上海にオフィスを構えています。また、東京オフィス内には、日本企業によるアジア地域への進出や業務展開を支援する「アジアプラクティスグループ(APG)」および「中国プラクティスグループ(CPG)」が組織されています。当事務所は、国内外の拠点で執務する弁護士が緊密な連携を図り、更に現地の有力な法律事務所との提携および協力関係も活かして、特定の国・地域に限定されない総合的なリーガルサービスを提供しています。
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