産業構造審議会イノベーション・環境分科会、排出量取引制度小委員会(第6回)を開催
アンダーソン・毛利・友常法律事務所*
弁護士 宮 川 賢 司
弁護士 香 川 遼太郎
1 はじめに
経済産業省の産業構造審議会イノベーション・環境分科会は、2025年12月9日、排出量取引制度小委員会(以下「小委員会」という。)(第6回)を開催した[1]。
近年、EU排出量取引制度(EU-ETS)をはじめ、各国で排出量取引制度やカーボン・クレジット市場の整備が進展し、ボランタリー・カーボン・クレジットの国際的な流通も拡大している。こうした動きの中で、クレジットの品質確保や制度運営の透明性は、各国共通の重要な政策課題となっている。
わが国においても、2026年4月から本格導入が予定される義務的排出量取引制度(以下「GX-ETS」という。)について、国際的動向を踏まえつつ、国内制度としての信頼性をいかに確立するかが問われている。
経済産業省は、GX-ETSの制度設計に関する実務的・技術的論点を検討するため、小委員会を設置し、排出量算定ルールや価格安定化措置、ベンチマーク(以下「BM」という。)[2]、グランドファザリング(以下「GF」という。)[3]の割当方法等について議論を重ねてきた[4]。
以下では、小委員会(第6回)において小委員会事務局より提示された「産業構造審議会 排出量取引制度小委員会中間整理(案)~排出枠の割当ての実施指針等に関する事項~」[5](以下「中間整理案」という。)の内容を概観する。
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(みやがわ・けんじ)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所スペシャル・カウンセル弁護士。1997年慶應義塾大学法学部卒業。2000年弁護士登録(第二東京弁護士会)。2004年ロンドン大学(University College London)ロースクール(LL.M.)修了。2019年から慶應義塾大学非常勤講師(Legal Presentation and Negotiation)。国内外の金融取引、不動産取引、気候変動関連法務および電子署名等のデジタルトランスフォーメーション関連法務を専門とする。
(かがわ・りょうたろう)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。早稲田大学法学部卒業。2022年弁護士登録(東京弁護士会)。執筆として「非化石証書の制度と実務」(NBL2023年11月1日号)等。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/
<事務所概要>
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業は、日本における本格的国際法律事務所の草分け的存在からスタートして現在に至る、総合法律事務所である。コーポレート・M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、知的財産、労働、紛争解決、事業再生等、企業活動に関連するあらゆる分野に関して、豊富な実績を有する数多くの専門家を擁している。国内では東京、大阪、名古屋に拠点を有し、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ハノイ、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ等のアジア諸国およびロンドン、ブリュッセルに拠点を有する。
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