SH3256 法制審議会民事訴訟法(IT化関係)部会、第2回会議において訴えの提起及び送達に関する規定の見直しについて調査審議 石川裕彬(2020/07/30)

取引法務企業紛争・民事手続

法制審議会民事訴訟法(IT化関係)部会、第2回会議において
訴えの提起及び送達に関する規定の見直しについて調査審議

岩田合同法律事務所

弁護士 石 川 裕 彬

 

1 はじめに

 法務省では、令和2年7月10日、法制審議会民事訴訟法(IT化関係)部会第2回会議が開催され、訴えの提起及び送達に関する規定の見直しについて調査審議が行われた。具体的には、部会資料3「訴えの提起及び送達」(以下「本資料」という。)に基づき、①オンラインによる訴えの提起に関する規律、②濫用的な訴えの提起を防止するための方策、③事件管理システムを利用した送達に関する規律、④公示送達の方法の見直しについて議論された。

 裁判手続き等のIT化の主な内容は、次の図のとおり「e提出」、「e事件管理」、「e法廷」の3つに分類される[1]

 裁判手続き等のIT化のスケジュールは、フェーズ1(法改正を要することなく現行法の下で、IT機器の整備や試行等の環境整備により実現可能なもの)、フェーズ2(関係法令の改正により初めて実現可能となるもの)、及びフェーズ3(関係法令の改正とともにシステム・ITサポート等の環境整備を実施した上で、オンライン申立てへの移行等を図ること)の3段階に分類される[2]。現在は、フェーズ1の段階で、現行法の下でウェブ会議等が運用されている。今後、法改正やIT環境の整備等によりフェーズ2・3へと移行していくことが想定される。以下、その実現に向けた議論として、「e提出」に関する本資料の概要について紹介する。

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(いしかわ・ひろあき)

岩田合同法律事務所アソシエイト。2010年名古屋大学理学部物理学科卒業。2014年大阪大学法科大学院修了。2016年弁護士登録。知的財産法分野を中心に企業法務全般を取り扱う。

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

<事務所概要>
1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

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