特許・商標・意匠・著作権

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SH5377 最判令和7年3月3日(ドワンゴ対FC2事件上告審)―― 国外サーバからのファイル配信行為に関し、システム発明の「生産」該当性を肯定 後藤未来/吉田崇裕(2025/03/28)

本件は、コメント機能付き動画配信の方法等に関して複数の特許権を有する株式会社ドワンゴ(以下「ドワンゴ」という。)が、「FC2動画」等の動画配信サービス(以下「FC2サービス」という。)を提供するFC2, INC.(以下「FC2」という。)らに対して、FC2のコメント配信システム(以下「FC2システム」という。)の特許権侵害に基づく差止めおよび損害賠償を求めて提起した一連の事件の一つである。
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SH5365 米国著作権局、Invoke社のAI生成作品の著作権を登録 井上乾介/風間凜汰郎/石瀛(2025/03/21)

実際、米国著作権局は、Invoke AI, Inc.(以下「Invoke社」という。)が生成AIツールのみを用いて制作した絵画作品「A Single Piece of American Cheese」(以下「本作品」という。)について、2025年1月30日に著作権登録(以下「本登録」という。)を認めた[3]。  本稿では本登録を概観し、本作品に使用された手法を考察するとともに、実務上の示唆を検討する。
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SH5341 米デラウェア連邦地方裁判所、判例要約をAI訓練に使用した行為の著作権侵害を認定 井上乾介/風間凜汰郎/石瀛(2025/03/06)

本件における中心的な争点は以下の2点である。  ① 著作権の有効性:TRが作成する判例要約に著作権が認められるか。  ② 公正利用の適用範囲:AI訓練目的での著作物利用が「公正利用」に該当するか。  本稿では本件を概観し、主に上記②点目に関して考察の上、実務上の示唆を検討する。
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SH5340 米国著作権局、生成AIによるアウトプットの著作物性に関するレポートを公表 後藤未来/風間凜汰郎(2025/03/05)

 2025年1月29日には、第2部として、生成AIが生成したアウトプットの著作物性に関するレポート[3](以下「本レポート」という。)が公表された。以下、本レポートの内容について概観する。
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SH5310 文化審議会著作権分科会政策小委員会、「法制度に関するワーキングチーム」(第2回)を開催 後藤未来/清水ゆうか(2025/02/06)

第2回の本ワーキングチームでは、DX化が急伸する現代におけるコンテンツ産業界の活況や著作権侵害事案の増加という環境下において著作物の利用円滑化と権利保護・適切な対価還元によるコンテンツ創作の好循環の実現が図られることが望ましい等の観点から[4]、主に次の2点について議論が行われた。 ① 著作権に係る権利執行の実効性を確保するための出版登録制度の見直し ② 生成AIと著作権に関する諸問題  本稿ではこれらの議論の内容について概観する。
新領域

SH5302 米商務省、宇宙商取引・宇宙ビジネスをめぐる規制の合理化・知財等の政策を含む2021-2024年の成果報告書を公表 清水亘/山田智希/新庄絢(2025/02/03)

本稿では、近時の米国における宇宙政策を振り返る観点で、商務省が今般発表した本報告書で示された政策の一部を紹介する。
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SH5285 特許出願非公開制度に関し、 国際特許分類の改正に伴い経済安全保障推進法施行令が改正 後藤未来/山﨑貴明(2025/01/22)

2022年5月11日に、「経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律」(以下「経済安全保障推進法」という。)が成立し、2024年5月1日より、経済安全保障推進法に基づき、特許出願非公開制度が開始された。特許出願を非公開にするか否かの審査は、特許庁による第一次審査と内閣府による第二次審査(保全審査)との二段階に分けて行われる。特許庁の第一次審査では、特許出願の中から、国際特許分類(IPC)またはその小分類に基づいて特定技術分野に属する発明が記載されている出願が選別され、選別された出願の書類が内閣総理大臣に送付され、保全審査において、特許出願の明細書などに記載された発明が保全されるか否かが決定される。
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SH5275 特許庁・意匠制度小委員会、仮想空間・生成AIの発展を踏まえた意匠制度の見直し等に関する議論を開始 後藤未来/風間凜汰郎(2025/01/16)

第16回会合ではその初期的な議論がなされた[3]。 ⑴ 「仮想空間におけるデザインに関する意匠制度の在り方」について、仮想空間におけるビジネスやデザイン創作の実態を踏まえた意匠制度見直しの必要性および制度的措置の方向性の検討 ⑵ 「生成AI技術の発達を踏まえた意匠制度上の適切な対応」について、生成AI技術の発達を踏まえた検討課題およびこれに対する制度的措置の方向性の検討  以下、それぞれについて概観する。
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SH5271 他人のバンドスコアの無断利用につき不法行為の成立を肯定した東京高裁判決 後藤未来/山本浩子(2025/01/15)

東京高裁は、他人が制作・販売したバンドスコア(バンドミュージックについて、ボーカル、ギター、キーボードおよびドラム等のパートに係る演奏情報がすべて記載されている楽譜、以下同じ。)を無断で利用してインターネット上で無料公開する行為について、不法行為の成立を肯定し、損害賠償を命じる判決を下した(東京高判令和6.6.19・令和3年(ネ)第4643号)。
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SH5267 欧州統一特許裁判所(UPC)と国内裁判所の二重管轄に関するUPC控訴裁判所による重要判決(2024年11月12日) 後藤未来/市川祐輔(2025/01/10)

本稿で紹介するUPCの控訴裁判所による判決[3](以下「本判決」という。)は、この二重管轄を規定するUPCA83条の解釈についての重要な判断を含む。