判例コメント

家族・相続・成年後見

SH5230 最二小判令和6年6月21日  認知請求事件(尾島明裁判長)

嫡出でない子は、生物学的な女性に自己の精子で当該子を懐胎させた者に対し、その者の法令の規定の適用の前提となる性別にかかわらず、認知を求めることができるか
そのほか

SH5219 最一小判令和6年7月11日  損害賠償請求事件(堺徹裁判長)

1 宗教法人とその信者との間において締結された不起訴の合意が公序良俗に反し無効であるとされた事例  2 宗教法人の信者らによる献金の勧誘が不法行為法上違法であるとはいえないとした原審の判断に違法があるとされた事例
労働法

SH5208 最一小判令和6年7月4日  療養補償給付支給処分(不支給決定の変更決定)の取消、休業補償給付支給処分の取消請求事件(堺徹裁判長)

労働保険の保険料の徴収等に関する法律(令和2年法律第14号による改正前のもの)12条3項所定の事業についてされた業務災害に関する保険給付の支給決定の取消訴訟と事業主の原告適格
不動産法

SH5196 最一小判令和6年6月24日  賃料減額等請求事件(深山卓也裁判長)

地方住宅供給公社が賃貸する住宅の使用関係と借地借家法32条1項の適用の有無
そのほか

SH5160 最三小決令和5年2月20日 貸金業法違反、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律違反被告事件(宇賀克也裁判長)

債権譲渡の対価としてされた金銭の交付が貸金業法2条1項と出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律5条3項にいう「貸付け」に当たるとされた事例
そのほか

SH5117 最三小決令和6年3月27日 臨時社員総会招集許可申立て却下決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件(渡邉惠理子裁判長)

社団たる医療法人の社員が一般社団法人及び一般財団法人に関する法律37条2項の類推適用により裁判所の許可を得て社員総会を招集することの可否
そのほか

SH5114 最二小判令和4年4月18日 横領被告事件(菅野博之裁判長)

農地の売買契約が締結されたが、譲受人の委託に基づき第三者の名義を用いて農地法所定の許可が取得され、当該第三者に所有権移転登記が経由された場合において、当該第三者が当該土地を不法に領得したときの横領罪の成否
消費者法

SH5104 最三小判令和6年3月12日 共通義務確認請求事件(長嶺安政裁判長)

消費者裁判手続特例法2条4号所定の共通義務確認の訴えについて同法3条4項にいう「簡易確定手続において対象債権の存否及び内容を適切かつ迅速に判断することが困難であると認めるとき」に該当するとした原審の判断に違法があるとされた事例
家族・相続・成年後見

SH5094 最三小判 令和6年3月19日 遺言無効確認等請求事件(渡邉惠理子裁判長)

相続回復請求の相手方である表見相続人は、真正相続人の有する相続回復請求権の消滅時効が完成する前であっても、当該真正相続人が相続した財産の所有権を時効により取得することができるか
家族・相続・成年後見

SH5078 最三小決 令和6年3月26日 犯罪被害者給付金不支給裁定取消請求事件(林道晴裁判長)

犯罪被害者と同性の者は犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律5条1項1号括弧書きにいう「婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者」に該当し得るか