SH3750 厚労省、多様化する労働契約のルールに関する検討会(第6回)資料を公表 深津春乃(2021/09/10)

そのほか労働法

厚労省、多様化する労働契約のルールに関する検討会
(第6回)資料を公表

岩田合同法律事務所

弁護士 深 津 春 乃

 

1 はじめに

 厚生労働省は、令和3年8月31日、「多様化する労働契約のルールに関する検討会」(以下「本検討会」という。)第6回の資料を公表した。

 本検討会は、労働契約法18条に基づく無期転換ルールについて、施行後8年を経過した場合に、施行の状況を勘案しつつ必要な見直しを行うこととされていること(労働契約法の一部を改正する法律附則3項)、及び、規制改革実施計画(令和元年6月閣議決定)において、令和2年度中に多様な正社員の雇用ルールの明確化について検討を開始することとされていることを踏まえ、①無期転換ルールの見直しと②多様な正社員の雇用ルールの明確化等について検討を行うことを目的として設置された。本稿執筆時点において本検討会第6回の議事録は未公表であるが、第6回の公表資料では、上記の目的のうち無期転換ルール(①)について今後本検討会で検討される論点等が公表されたことから、その内容につき、無期転換ルールの概要とともに紹介する。

 

2 無期転換ルール

 無期転換ルールとは、同一の使用者との間で、有期労働契約が通算5年を超えて更新された場合、有期契約労働者からの申込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換されるルールをいう(労働契約法18条1項(平成25年4月1日施行))。

 例えば、契約期間が1年の場合であれば5回目の更新後の1年間に、契約期間が3年の場合であれば1回目の更新後の3年間にそれぞれ無期転換の申込権が発生し、有期契約労働者が使用者に対して無期転換の申込みをした場合、使用者は、当該申込みを承諾したものとみなされ、無期労働契約が成立する。

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(ふかつ・はるの)

岩田合同法律事務所アソシエイト。2016年京都大学法科大学院修了。2017年弁護士登録。

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

<事務所概要>
1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

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