SH4379 意外に深い公益通報者保護法~条文だけではわからない、見落としがちな運用上の留意点~ 第20回 公益通報者の保護(2) 金山貴昭(2023/03/27)

組織法務公益通報・腐敗防止・コンプライアンス

意外に深い公益通報者保護法
~条文だけではわからない、見落としがちな運用上の留意点~ 

第20回 公益通報者の保護(2)

森・濱田松本法律事務所

弁護士 金 山 貴 昭

 

Q 違法行為を外部公表した従業員への対応

 当社の従業員が、SNSで当社の違法行為を発信して炎上してしまいました。従業員に対して損害賠償請求等の措置をとることは公益通報者保護法上問題はないですか。

 

A 【ポイント】

SNS等のインターネットを利用した公益通報対象事実の発信は、事業者外部への公益通報(いわゆる3号通報)に該当する可能性があります。そのため、SNSでの違法行為の発信が、同法上の公益通報に該当する場合、公益通報を理由とした不利益な取扱いは禁止されていますし、損害賠償は認められません。

 

【解説】

 公益通報者保護法では、公益通報は通報先ごとに3種類あり、具体的には、事業者内部への公益通報(いわゆる1号通報)、行政機関への公益通報(いわゆる2号通報)、その他の事業者外部(報道機関等)への公益通報(いわゆる3号通報)があり、それぞれについて公益通報として保護されるための要件(「保護要件」)が定められています(法3条各号および6条各号)。

 SNS等のインターネットを利用して不特定多数の人が閲覧することができる形式での発信が公益通報として保護されるかについては、①そもそもSNS等での発信が「通報すること」(法2条1項)に該当するか、②上記3つの公益通報のいずれかに該当するのか、③保護要件を満たしているか、を検討する必要があります。

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(かなやま・たかあき)

弁護士・テキサス州弁護士。2008年東京大学法学部卒業、2010年東京大学法科大学院卒業、2019年テキサス大学オースティン校ロースクール(L.L.M.)修了。2011年弁護士登録(第二東京弁護士会)、2019年テキサス州弁護士会登録。2021年消費者庁制度課(公益通報制度担当)、同参事官(公益通報・協働担当)出向。
消費者庁出向時には、改正公益通報者保護法の指針策定、同法の逐条解説の執筆等に担当官として従事。危機管理案件の経験が豊富で、自動車関連、動物薬関連、食品関連、公共交通機関、一般社団法人等の幅広い業種の危機管理案件を担当。

 

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