SH3318 公取委、アマゾンジャパン合同会社から申請があった確約計画を認定――巨大IT企業に対する規制の動向 森 駿介(2020/09/24)

取引法務競争法(独禁法)・下請法

公取委、アマゾンジャパン合同会社から申請があった確約計画を認定
――巨大IT企業に対する規制の動向――

岩田合同法律事務所

弁護士 森   駿 介

 

1 概 要

 公正取引委員会(以下「公取委」という。)は、2020年9月10日、アマゾンジャパン合同会社(以下「アマゾンジャパン」という。)による納入業者に対する優越的地位の濫用(独占禁止法2条9項5号)が疑われた事案(以下「本件」という。)について、同社から提出を受けた納入業者への返金等を内容とする確約計画を認定したと発表した。これにより、公取委は同社に対する行政処分を見送ることとなった。

 

2 確約手続

 確約計画(排除措置計画)とは、独占禁止法上の確約手続において、事業者が作成・提出するものである。確約手続では、まず公取委が、公正かつ自由な競争の促進を図る上で必要があると認めるときに、被疑事業者に対し、独占禁止法違反の疑いのある行為の概要、確約計画の認定申請をすることができる旨を通知し(独占禁止法48条の2。以下「確約手続通知」という。)、これを受けた被疑事業者は確約計画を自主的に作成し申請することができるとされる(同法48条の3第1項)。そして、公取委は、当該計画が一定の要件を満たす場合にこれを認定することとされており(同法48条の3第3項)、この場合、公取委は排除措置命令や課徴金納付命令を行わない(同法48条の4)。

 この確約手続は、環太平洋パートナーシップ協定(TPP協定)における、競争法違反の疑いのある行為について、当該国の競争当局と被疑事業者との間の合意により自主的に解決する仕組みを設ける旨の規定に基づき導入されたもので、2018年12月30日の改正法施行により導入された(村上政博『独占禁止法〔第9版〕』(弘文堂、2020)534頁)。

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