SH4230 東京都労働委員会、Uber Japan及びUber Eats Japan事件命令書交付 福地拓己(2022/12/09)

そのほか労働法

東京都労働委員会、Uber Japan及びUber Eats Japan事件命令書交付

岩田合同法律事務所

弁護士 福 地 拓 己

 

1 はじめに

 Uber Japan株式会社(以下「Uber Japan」という。)及びウーバー・ポルティエ・ジャパン(現在のUber Eats Japan合同会社(以下「Uber Eats Japan」といい、Uber Japanと併せて「会社ら」という。))が、「Uber Eats」の配達パートナーによって結成されたウーバーイーツユニオン(以下「組合」という。)から申し入れられた団体交渉を拒否した件に関し、東京都労働委員会(以下「都労委」という。)は、2022年11月25日、配達パートナーの労働組合法(以下「労組法」という。)上の労働者性を認めた上で、会社らに対し、組合との団体交渉に誠実に応じること等を命じる命令書を交付した(以下「本命令」という。)。

 本命令は、日本においてインターネット上のプラットフォームサービスを介して仕事を受けるいわゆるギグワーカーの労働者性が認められた初めての法的な判断であるところ、事案の概要を概観した上で、本命令における都労委の判断やこれを踏まえた実務上の意義等を解説する。

 

2 事案の概要

 

 Uber Eats Japanは、日本において、アプリ上で、飲食店、注文者及び配達パートナーを結び付ける事業(以下「Uber Eats事業」という。)を運営しており、同社からの委託を受けて、Uber JapanはUber Eats事業における広報・法務・契約業務、配達パートナーの登録手続・教育、アカウント停止措置の運用、パートナーセンター・サポートセンターの運営などの業務を行っていた(以下では、親会社等を含め、その主体が明確に区分できない場合には、「Uber」という。)。

この記事はプレミアム向けの有料記事です
ログインしてご覧ください


(ふくち・たくみ)

岩田合同法律事務所弁護士。2014年早稲田大学法学部卒業。2016年一橋大学法科大学院卒業。2017年弁護士登録、高井・岡芹法律事務所勤務(~2020年)。著作には、『2020年版 年間労働判例命令要旨集』(共著、労務行政、2020年)、『判例解説 解雇・懲戒の勝敗分析』(共著、日本加除出版、2020年)がある。

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

<事務所概要>

1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

<連絡先>

〒100-6315 東京都千代田区丸の内二丁目4番1号丸の内ビルディング15階 電話 03-3214-6205(代表)

タイトルとURLをコピーしました