公取委、アマゾンジャパン合同会社によるポイントサービス利用規約の変更への対応について公表
――Amazonマーケットプレイスの出品者との間のAmazonポイントサービス利用規約――
公正取引委員会は4月11日、「アマゾンジャパン合同会社によるポイントサービス利用規約の変更への対応について」を公表した。
それによると、公取委では、アマゾンジャパンが2月20日、Amazonマーケットプレイスの出品者との間のAmazonポイントサービス利用規約を変更し、出品される全ての商品について最低1パーセントのポイントを付与し、当該ポイント分の原資を出品者に負担させる旨の内容としたことについて、独占禁止法上の懸念(優越的地位の濫用)があったため、所要の調査を行っていた。
本件に関して、世耕経済産業大臣は、2月26日の会見で、「仮にエレクトロニックコマース市場における優越的な地位を濫用した一方的な契約変更によって、出品者の過度の負担を強いるようなことがあるのであれば、これは、中小企業の公正な競争条件をゆがめる大きな問題だ」などと述べており、公取委の山田事務総長は2月27日の会見で、個別の問題ではなく一般論として、同日から開始したオンラインモール運営事業者の取引実態に関するアンケート調査等で実態を把握したいとしていた。
こうした中、アマゾンジャパンは4月10日、上記規約の変更を修正し、商品をポイントサービスの対象とするか否かについて、出品者の任意としたため、公取委としては、当該規約変更に係る上記調査を継続しないこととしたものである。
これについて、世耕大臣は、4月12日の会見で、「今後も、出品をしている、特に中小企業と十分な意思疎通が図られて、公正な取引環境が確保されることが重要だと思っています。今回の事案以外にも、デジタル市場においては、プラットフォーマーと出店事業者との間に一方的な規約変更ですとか、取引停止などの不公正な取引慣行が存在をしているという声は、依然、多数あるわけであります。今後、実態調査の結果も踏まえて、公正取引委員会等の関係省庁と、ルール整備の検討を具体化していきたいと思っています」などと述べている。
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公取委、アマゾンジャパン合同会社によるポイントサービス利用規約の変更への対応について(4月11日)
https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2019/apr/190411.html