◇SH1469◇金融庁、「企業内容等の開示に関する内閣府令」等改正案を公表(2017/10/31)

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金融庁、「企業内容等の開示に関する内閣府令」等改正案を公表

−−金融審議会「ディスクロージャーワーキング・グループ」報告等を踏まえて−−

 

 金融庁は10月24日、「企業内容等の開示に関する内閣府令」等の改正案を公表した。11月22日までパブリック・コメントに付して意見を募集し、改正のうち有価証券報告書等の記載内容に係る改正については平成30年3月31日以後に終了する事業年度に係る有価証券報告書等から適用する予定とされている。

 今般の改正は、昨年4月18日に公表された金融審議会「ディスクロージャーワーキング・グループ」報告において、企業と投資家との建設的な対話を促進していく観点から、開示内容の共通化・合理化や非財務情報の開示充実に向けた提言がなされたこと等を受けて、有価証券報告書等の記載事項についての改正等を行うものである。

 主な改正内容は、次のとおりである。

 

⑴ 金融審議会「ディスクロージャーワーキング・グループ」報告の提言を踏まえた改正
 【企業内容等開示府令、特定有価証券開示府令等】

  1. ① 開示内容の共通化・合理化
  2. ・ 有価証券報告書および事業報告における大株主の状況に係る記載の共通化
     有価証券報告書等の「大株主の状況」における株式所有割合の算定の基礎となる発行済株式について、議決権に着目している事業報告と同様に自己株式を控除することとし、両者の記載内容を共通化する。
  3. ・ 新株予約権等の記載の合理化
     「新株予約権等の状況」、「ライツプランの内容」および「ストックオプション制度の内容」の項目を「新株予約権等の状況」に統合する。現行様式の表を撤廃し、企業の判断により過去発行分を一覧表形式で記載することを可能とする。
     ストックオプションについては、財務諸表注記(日本基準の場合)で記載されている場合、当該記載の参照を可能とする。
     「新株予約権等の状況」については、事業年度末および有価証券報告書提出日の前月末現在の記載を求めているところ、事業年度末の情報から変更がなければ、後者については変更ない旨の記載のみでよいこととする。
  4. ・ 株主総会日程の柔軟化のための開示の見直し
     有価証券報告書における「大株主の状況」の記載時点を、事業年度末から、原則として議決権行使基準日へ変更する。
  5.  
  6. ② 非財務情報の開示充実(「財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に係る記載の統合と対話に資する内容の充実)
  7.   「業績等の概要」および「生産、受注及び販売の状況」を「財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に統合した上で、記載内容の整理を行う。
     あわせて、経営成績等の状況の分析・検討の記載を充実させる観点から、以下の2点についての記載を求める。
  8. ア) 事業全体およびセグメント別の経営成績等に重要な影響を与えた要因について経営者の視点による認識および分析
  9. イ) 経営者が経営方針・経営戦略等の中長期的な目標に照らして経営成績等をどのように分析・評価しているか
     

⑵ 追加型投資信託に係る有価証券届出書の翌日効力発生手続の見直し
 【特定有価証券開示ガイドラインおよび電子開示手続等ガイドライン】

 追加型の投資信託に係る有価証券届出書の翌日効力発生のための手続における提出者からの申出を不要とする。

 

  1. ◯ 金融庁、「企業内容等の開示に関する内閣府令」等の改正案の公表について(10月24日)
    http://www.fsa.go.jp/news/29/sonota/20171024.html
     
  2. 【上記(1)に係る改正案】
  3.  (別紙1)企業内容等の開示に関する内閣府令(昭和48年大蔵省令第5号)新旧対照表
    http://www.fsa.go.jp/news/29/sonota/20171024/01.pdf
  4.  (別紙2)特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令(平成5年大蔵省令第22号)新旧対照表
    http://www.fsa.go.jp/news/29/sonota/20171024/02.pdf
  5.  (別紙3)発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令(平成2年大蔵省令第38号)新旧対照表
    http://www.fsa.go.jp/news/29/sonota/20171024/03.pdf
  6.  (別紙4)発行者による上場株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令(平成6年大蔵省令第95号)新旧対照表
    http://www.fsa.go.jp/news/29/sonota/20171024/04.pdf
  7.  (別紙5)企業内容等の開示に関する留意事項について(企業内容等開示ガイドライン)新旧対照表
    http://www.fsa.go.jp/news/29/sonota/20171024/05.pdf
  8.  (別紙6)特定有価証券の内容等の開示に関する留意事項について(特定有価証券開示ガイドライン)新旧対照表
    http://www.fsa.go.jp/news/29/sonota/20171024/06.pdf
     
  9. 【上記(2)に係る改正案】
  10. (別紙7)特定有価証券の内容等の開示に関する留意事項について(特定有価証券開示ガイドライン)新旧対照表
    http://www.fsa.go.jp/news/29/sonota/20171024/07.pdf
  11. (別紙8)開示用電子情報処理組織による手続の特例等に関する留意事項について(電子開示手続等ガイドライン)新旧対照表
    http://www.fsa.go.jp/news/29/sonota/20171024/08.pdf
  12.  
  13. 参考
    昨年公表された金融審議会「ディスクロージャーワーキング・グループ」報告については、田原泰雅ほか「金融審議会ティスクロージャーワーキング・グループ報告の概要」商事法務2105号参照。

 

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