規制改革推進会議、「規制改革推進に関する答申」及び「書面規制、押印、対面規制の見直しについて」公表
岩田合同法律事務所
弁護士 角 野 秀
1 はじめに
本年7月2日、第8回規制改革推進会議が開催され、規制改革推進に関する答申(以下「本答申」という。)が取りまとめられた。
本答申では幅広い規制改革事項が掲げられているが、新型コロナウイルスの感染防止への対応の観点から、テレワーク等の推進及びデジタル時代に向けた規制・制度の見直しの一環として、書面規制、押印、対面規制の見直しについても提言等がなされた。
本稿では、本答申の中から、特に実務担当者の関心が高いと思われる、民民間における「書面規制、押印、対面規制の見直し」に関する取組について紹介する。
2 書面規制、押印、対面規制の見直しについて
従来より、行政手続及びビジネス慣行等においては、印鑑捺印をベースとした原本至上主義や、オンライン化の遅れ等を理由として、書面主義、押印原則、対面主義が根強く定着していた。第8回規制改革推進会議の資料として公表された「書面規制、押印、対面規制の見直しについて」と題する資料(資料3)では、これまでの書面主義、押印原則、対面主義に関する官民の規制・制度や慣行の見直しの結果及び今後の取組について、「行政手続に関するもの」と「民民間の商慣行等による手続に関するもの」に分けて記載がされている。そのうち、民民間の商慣行等による手続に関する見直しの概要は以下のとおりである。
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(かくの・しゅう)
岩田合同法律事務所所属。2006年東京大学法学部卒業。2008年東京大学法科大学院修了。2009年弁護士登録。2017年ロンドン大学ロースクール修了(LL.M.)。
岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/
<事務所概要>
1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。
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