ホシザキ、子会社における不適切取引の継続判明で第三者委員会を設置
――通期の決算発表を延期、社内調査委による調査も再確認へ――
業務用厨房機器製造・販売のホシザキ(本社・愛知県豊明市)は2月25日、連結子会社であるホシザキ東海において昨年中に判明し、社内調査委員会によって事実関係検証・再発防止策提言が行われた不適切取引について、その後も継続して実施されていた事実が判明したことを受け、社外の弁護士・公認会計士のみを委員とする第三者委員会の設置を決定した。
同社では同月13日、今般の発表に先立ち(ア)平成30年12月期の決算発表に向けて決算手続を進めていくなかで、ホシザキ東海において当期第4四半期まで同様の不適切取引が継続していたことが判明したと公表するとともに、(イ)過去の調査結果の再確認を含めた調査が必要となり、第三者委員会の立上げを検討していること、(ウ)決算確定までに時間を要すると見込まれるため、同日発表予定であった決算発表を延期することを明らかにしていた。
上記(イ)の「過去の調査結果」とは、社外の弁護士・公認会計士らを含めて構成した社内調査委員会によるもので(SH2257「ホシザキ、社内調査委員会による調査報告書を公表(2018/12/19)」既報)、調査結果等を反映する「社内調査報告書」の調査対象期間は「必要性と実効性を勘案して、平成25年から平成30年9月までとしたが、必要に応じてそれ以前の期間に遡って」実施されている。しかしながら今般、「平成30年10月1日以降に実施された不適切な取引行為を同調査では発見するに至」らないまま、「平成30年12月期第4四半期(編注・平成30年10〜12月に該当)においてもホシザキ東海において実施されていた事実が判明」した。
また、ホシザキでは「社内調査報告書」の公表後においても、その内容を維持できるかにかかわる事態が生じたことから「追加調査報告書」の公表に及ぶさらなる調査結果・再発防止策の発表を行ってきたところであり(SH2283 ホシザキが追加調査報告書を公表、遅延の四半期報告書も提出で上場を維持(2019/01/17)既報)、新たに判明した不適切取引(以下「本件」という)の調査を巡っては、同社とは利害関係を有しない社外有識者のみを委員として構成する第三者委員会の設置に至ったものである。
第三者委員会設置の目的は(1)本件に係る事実関係の調査、(2)本件に類似する問題の存否および事実関係の調査、(3)当社の組織的関与の有無、(4)上記(1)および(2)で確認された事実関係の原因分析および再発防止策の提言、(5)上記のほか、本第三者委員会が必要と認めた事項。ホシザキとして「国内の全販売会社を対象とした社内調査委員会による調査(平成30年12月期第1四半期から同第3四半期までの事実調査)の再確認を含め、平成30年12月期全体につき、より徹底した事実調査を実施する」と表明した。
委員は、①オリンパス・第三者委員会による2011年12月6日付「調査報告書」において調査委員会補助者として、富士フイルムホールディングス・第三者委員会による2017年6月10日付「調査報告書」において調査補助者代表として、各第三者委員会から任命されるなどの経験を有する弁護士を委員長とし、②近時の案件としては商工組合中央金庫・危機対応業務にかかる第三者委員会による2017年4月25日付「調査報告書」において委員を、日立化成・特別調査委員会による2018年11月20日付「調査報告書」において委員長を務めた弁護士・公認不正検査士、③不正調査に詳しい公認会計士からなる計3名。第三者委員会では、委員らの所属する法律事務所・監査法人を調査補助者として起用する。
ホシザキの発表によると、第三者委員会による調査の終了時期は「現時点では未定」としているが、当該第三者委員会の調査により同社の連結業績に及ぼす影響も明らかになることから、平成30年12月期通期の決算確定・決算発表とも絡み、その帰趨が注目される。