監査役協会、「監査上の主要な検討事項(KAM)に関する
Q&A集・後編」を公表
岩田合同法律事務所
弁護士 武 藤 雄 木
1 「監査上の主要な検討事項(KAM)に関するQ&A集」の位置付け
監査役協会・会計委員会は、2019年6月11日に「監査上の主要な検討事項(KAM)に関するQ&A集・前編」を、同年12月4日に「監査上の主要な検討事項(KAM)に関するQ&A集・後編」(以下、前編と併せて「本Q&A集」という。)を公表した[1]。
本Q&A集は、金融庁・企業会計審議会が、2018年7月5日付で「監査基準」を改訂し、金融商品取引法上の監査人の監査報告書に「監査上の主要な検討事項」(KAM: Key Audit Matters)を記載することを義務付けたことを踏まえて、KAMの円滑導入に向けた監査役等の実務支援ツールとして作成されたものである。
KAMの選定は監査人が行うものではあるが、本Q&A集は、監査役等と協議した事項の中からKAMが選定されるため、監査役等においてもKAMの取扱いに重要な役割を果たすことが期待されるとする。
2 本Q&A集の構成
本Q&A集は、KAMの早期適用[2]のケースを勘案して前後半の2分割構成となっており、本Q&A集・前編は、KAMの概要に加えて、早期適用を行う場合に直近で対応が必要となる事項(監査契約の締結、監査計画の策定段階)を、本Q&A集・後編は、期中の対応、定時株主総会に向けた対応等に関するQ&Aが取りまとめられている。その具体的な項目は下表のとおりである。
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