◇SH1155◇経産省、「第四次産業革命を視野に入れた不正競争防止法に関する検討--中間とりまとめ」を公表(2017/05/12)

未分類

経産省、「第四次産業革命を視野に入れた不正競争防止法に関する検討--中間とりまとめ」を公表

--データの利活用の促進に向けて不正競争防止法・関連政令の改正を検討--

 経済産業省は5月9日、産業構造審議会知的財産分科会の「営業秘密の保護・活用に関する小委員会」(小委員長=岡村久道・京都大学大学院医学研究科・弁護士)による「第四次産業革命を視野に入れた不正競争防止法に関する検討--中間とりまとめ」を公表した。同小委では、第四次産業革命に向けたデータの保護のあり方を中心に不正競争防止法に係る課題につき審議を行っており、今回の中間とりまとめは当面対応すべき事項を明らかにしたものである。

 中間とりまとめによると、データ利活用の促進に向けて、安心して、他者とデータを共有したり、オンラインで外部のAI等のプログラムやストレージ等のサービスを利用できる環境が必要であるとして、実際の取引実態やニーズ等を十分踏まえた上で新たな制度を創設し、どのような行為がこの「悪質性の高い」行為に当たるかについて検討するとしている。

 規制の対象とすべき行為については、下記のものを掲げている。

  1. •  暗号化解除等の悪質性の高い行為によるデータの取得
  2. •  悪質性の高い行為により取得したデータの使用・提供
  3. •  データに付された管理情報を削除・改変等した上でのデータの提供
  4. •  不正な目的(図利加害目的など)での、データ提供者の意に反したデータの使用・提供
  5. •  不正にデータを取得した者から事情を知ってデータの提供を受ける二次取得者以降の取得

 保護対象の範囲については、データの管理性(データを保有・管理する者の意思について一定の認識ができる状態となっていること)、データ収集等への投資(データの保護対象として、収集・整備等に係る一定の費用、労力、知恵等を投入したこと)、データの有用性(一定の「有用性」を有すること)を考慮して検討することとしている。

 不正競争行為に対する救済措置としては、差止請求、損害賠償請求、信用回復措置等の民事措置を設けることとし、刑事措置については今後の状況の変化等を踏まえて慎重に検討することとしている。

 データ利活用に係る営業秘密保護に関する今後の対応としては、営業秘密管理指針・秘密情報の保護ハンドブックに、法的保護を得るための条件、情報漏えい防止のための適切な管理のあり方に関する記載を充実させることを検討することとしている。

 

 暗号化など技術的制限手段による保護対象に関する今後の対応については、データの価値が高まる中で、暗号化を施した上でのデータのやり取りや、データをAI学習や分析など、視聴以外の利用を行うことが増えてきているとして、暗号化されたデータ等の保護強化に向けて、規定の追加等を検討することとしている。

 具体的には、「データ」を保護対象として追加することについて、「影像」、「音」について、分析等「視聴」以外の利用を制限するために施される技術的な制限手段を保護対象として必要に応じて追加することとし、さらに、人が視覚・聴覚で感知できないデータの利用を制限する手段の保護に関しては、必要に応じ検討することとしている。

 また、アクティベーション方式等が技術的制限手段に該当することを明確にすること、技術的制限手段を無効化するサービスを提供する行為を必要に応じ不正競争行為とすることとしている。

 

 技術的な営業秘密の保護に関しては、データの分析・解析・評価方法等について、不正な営業秘密の取得等が認められる場合においてはその秘密を使用したことを推定することを検討するとして、具体的には、「政令委任事項の追加」として、不正競争防止法5条の2(技術上の秘密を取得した者の当該技術上の秘密を使用する行為等の推定)の規定により、技術上の秘密を使用する行為等として推定する対象として、これまでに要望の提出された化学分析・検査、画像分析・検査方法を想定し、分析・解析・評価方法等を規定(政令)することとしている。
 

  1. ○ 経産省、産構審知的財産分科会営業秘密の保護・活用に関する小委員会「第四次産業革命を視野に入れた不正競争防止法に関する検討 中間とりまとめ」について(5月9日)
    http://www.meti.go.jp/report/whitepaper/data/20170509001.html

 

タイトルとURLをコピーしました