◇SH1675◇個人情報保護委、「オプトアウト届出書ファイル(改訂)のお知らせ」を公表 青木晋治(2018/02/28)

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個人情報保護委、「オプトアウト届出書ファイル(改訂)のお知らせ」を公表

岩田合同法律事務所

弁護士 青 木 晋 治

 

1 はじめに

 個人情報保護委員会は、平成30年2月19日、同委員会ホームページにおいて、平成30年3月14日以降に個人情報保護委員会に到着するオプトアウト届出書につき、平成30年3月1日公表予定の「届出書ファイル(改訂)」に入力して提出するよう告知した。改訂版の届出書ファイルそのものは現在未公表であり、改訂内容は明らかではないが、本稿では、これを機に、昨年施行された、改正後の個人情報の保護に関する法律(以下「個人情報保護法」という。)におけるオプトアウト手続の概要を改めて確認する。

 

2 オプトアウト手続の概要 

 オプトアウト(opt-out)手続とは、予め本人に対して個人データを第三者に提供することについて通知または容易に知り得る状態に置くなど、一定の要件を満たす前提のもと、本人の同意を得ることなく個人データの第三者提供ができるとしつつ、本人の求めがある場合には第三者提供を停止する仕組みをいう。個人情報保護法23条2項以下に規定されている制度である。

 平成29年5月30日に施行された個人情報保護法の改正においては、いわゆる名簿業者による個人データの不正流通対策として、オプトアウト手続が利用できる要件が厳格化された(改正法により要件が厳格化されたのは以下の下線部である)。

  1. ① 次の事項を個人情報保護委員会規則で定めるところにより、あらかじめ本人に通知するか、本人が容易に知り得る状態にして置くこと

    1. ⅰ 個人データの第三者提供を利用目的とすること
    2. ⅱ 第三者に提供される個人データの項目(例:氏名、住所、電話番号など)
    3. ⅲ 第三者への提供方法(例:インターネット掲載など)
    4. ⅳ 本人の求めに応じて個人データの第三者提供を停止すること
    5. 本人の求めを受け付ける方法(例:電話・メール・郵送など)
  2. ①ⅰ~ⅴの事項について個人情報保護委員会に届出をすること

 なお、①の「本人が容易に知り得る状態」に置くことについては、個人情報保護委員会の「個人情報保護法ガイドライン(通則編)」において、以下のとおり具体的な方法が例示されている(同3-4-2-1)。オプトアウト手続を利用する際には、例えば自社のホームページにおいてトップページからワンクリック程度の操作で到達できる場所に法定事項が掲載されているか等に留意することが必要である。

  1. 事例1) 本人が閲覧することが合理的に予想される個人情報取扱事業者のホームページにおいて、本人が分かりやすい場所(例:ホームページのトップページから1回程度の操作で到達できる場所等)に法に定められた事項を分かりやすく継続的に掲載する場合
  2. 事例2) 本人が来訪することが合理的に予測される事務所の窓口等への掲示、備付け等が継続的に行われている場合
  3. 事例3) 本人に頒布されている定期刊行物への定期的掲載を行っている場合
  4. 事例4) 電子商取引において、商品を紹介するホームページにリンク先を継続的に表示する場合

 

3 個人情報保護委員会への届出手続

 オプトアウト届出書は、上記2の②の要件に関わるものである。個人情報保護委員会への届出の手続は下記の図のとおりである。①届出書様式をダウンロード、②届出書の作成、③届出書を郵送(印刷・押印+CD-R)することが必要である。

(個人情報保護委員会HPから引用)

 

4 届出をした内容の公表

 個人情報取扱事業者は、個人情報保護委員会に届出をした内容を、インターネット等の方法により、公表しなければならない(個人情報の保護に関する法律施行規則10条)。また、個人情報保護委員会においても、届出に係る事項を公表するものとされる(法23条4項)。なお、届出を行った個人情報取扱事業者については個人情報保護委員会のホームページ上の「オプトアウト届出書検索」[1]で検索が可能であるが、平成30年2月23日現在127件の届出書が確認できる(提出主体は名簿業者のほか信用調査会社、住宅地図業者、データベース事業者、新聞社などが認められる)。

以 上

 

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