SH4583 東証、女性活躍・男女共同参画の重点方針2023(女性版骨太の方針2023)に係る上場制度の整備等〔女性役員の選任、望ましい投資単位の水準の見直し等〕について意見募集開始 藤原未彩(2023/08/08)

組織法務経営・コーポレートガバナンス

東証、女性活躍・男女共同参画の重点方針2023(女性版骨太の方針2023)に係る上場制度の整備等〔女性役員の選任、望ましい投資単位の水準の見直し等〕について意見募集開始

岩田合同法律事務所

弁護士 藤 原 未 彩

 

1 はじめに

 第13回すべての女性が輝く社会づくり本部・第23回男女共同参画推進本部合同会議において2023年6月13日に決定された「女性活躍・男女共同参画の重点方針2023(女性版骨太の方針2023)」を踏まえ、東京証券取引所は、2023年7月28日、女性役員の選任に関し上場制度の整備を行うことを公表した。

 また、あわせて、個人投資家が投資しやすい環境を整備する観点から望ましい投資単位の水準の見直しを行うことも公表された。

 これらの上場制度の整備及び見直しは2023年10月を目途に実施される[1]

 

2 「女性活躍・男女共同参画の重点方針2023(女性版骨太の方針2023)」

 政府は、男女共同参画社会基本法に基づき2020年12月25日に閣議決定した「第5次男女共同参画基本計画~すべての女性が輝く令和の社会へ~」において、「2020年代の可能な限り早期に指導的地位に占める女性の割合が30%程度となるよう目指す」などの取組みを定め、プライム市場企業(当時は東証一部上場企業)役員に占める女性の割合についての成果目標を12%とし、中間年のフォローアップにおいて市場編成後の目標を設定するとしていた[2]

 「女性活躍・男女共同参画の重点方針2023(女性版骨太の方針2023)」は、上記第5次男女共同参画基本計画における取組みのさらなる具体化を図るとともに政府全体として新たに重点的に取り組むべき事項を定めるものとして決定されたものである。

 このうち、「Ⅰ 女性活躍と経済成長の好循環の実現に向けて」の項目では、「⑴ 企業における女性登用の加速化」が掲げられ、プライム市場上場企業に係る女性役員比率の引上げを図るための具体的な取り組みとして、以下の取組みが定められた。

  • 2025年を目途に、女性役員を1名以上選任するよう努める。
  • 2030年までに、女性役員の比率を30%以上とすることを目指す。
  • 上記の目標を達成するための行動計画の策定を推奨する。

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(ふじはら・みさ)

岩田合同法律事務所所属。2015年九州大学法学部退学。2017年九州大学法科大学院終了。2019年1月判事補任官。東京地方裁判所勤務を経て、2022年4月「判事補及び検事の弁護士職務経験に関する法律」に基づき弁護士登録。

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

<事務所概要>
1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

<連絡先>
〒100-6315 東京都千代田区丸の内二丁目4番1号丸の内ビルディング15階 電話 03-3214-6205(代表)

 


東証、女性活躍・男女共同参画の重点方針2023(女性版骨太の方針2023)に係る上場制度の整備等について(意見募集)〔女性役員の選任、望ましい投資単位の水準の見直し等〕
https://www.jpx.co.jp/rules-participants/public-comment/detail/d1/20230728-01.html

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