個人情報委、令和2年 改正個人情報保護法の概要
岩田合同法律事務所
弁護士 石 川 哲 平
1 改正の概要
個人情報保護法は、平成27年改正の際、施行後3年ごとの見直し規定が設けられ、この規定に基づき個人情報保護委員会において有識者等からのヒアリング等が行われた。
その結果、個人情報に対する意識の高まり、技術革新を踏まえた保護と利活用のバランス等の観点から、個人情報保護法が改正されることとなった。同法は一部の規定が段階的に施行され、令和4年6月までにはその全てが施行される見込みである。
主な改正のポイントは下表のとおりである。
個人の権利のあり方 |
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事業者の守るべき責務のあり方 |
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データ利活用に関する施策のあり方 |
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2 解説
⑴ 個人の権利のあり方
- ア 保有個人データの利用停止等の請求につき要件を緩和
- 現行法は、不正取得等の場合に限り、本人から事業者に対し保有個人データ(個人情報データベース等を構成する個人情報のうち開示等の権限を有するもの)の利用の停止又は消去(以下「利用停止等」という。)を請求することを認めている(現行法30条1項)。
- これに対し、改正法では、保有個人データに関する本人の関与を強化する観点から、上記場合のほか、個人の権利又は正当な利益が害されるおそれがある場合[1]にも利用停止等の請求を可能とした(改正法30条1項及び5項)。今後、利用停止等の請求が増加することも予想される。
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岩田合同法律事務所弁護士。2010年慶應義塾大学法科大学院修了。2013年弁護士登録。2017年4月から2020年3月まで公正取引委員会勤務。独占禁止法・下請法を中心とした企業法務全般を取り扱う。
岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/
<事務所概要>
1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。<連絡先>
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