◇SH2378◇東証、コーポレートガバナンス・コードへの対応状況の集計結果(2018年12月末日時点)を公表(2019/03/05)

未分類

東証、コーポレートガバナンス・コードへの対応状況の集計結果(2018年12月末日時点)を公表

――前回調査(2017年7月時点)に比べて、全体的にコンプライ率が低下――

 

 東京証券取引所は2月21日、「コーポレートガバナンス・コードへの対応状況の集計結果(2018年12月末日時点)」を公表した。コーポレートガバナンス・コード(以下「コード」)について、東証では、上場会社が提出したコーポレート・ガバナンスに関する報告書に基づいて対応状況を集計しており、今回が5回目となる(前回は2017年7月14日時点)。

 今回の集計では、集計時点までに市場第一部2,128社(前回調査比107社増)、市場第二部493社(同26社減)の合計2,621社(同81社増)が提出したコーポレート・ガバナンスに関する報告書におけるコードへの対応状況をまとめている。

 以下、集計結果の概要をみると、まず、コンプライ(実施)/エクスプレイン(説明)の状況は、市場第一部では、全78原則をコンプライしている会社は18.1%と、前回調査比で13.4ポイントの減少となった。コンプライしている原則の数が90%以上の会社も85.3%(同7.7ポイント減)と減少した。

 次に、昨年6月に改訂・新設された原則の主なコンプライ状況(市場第一部・第二部の合計)は、次のようになっている。

  1. ○ 原則1-4「政策保有株式の縮減に関する方針・考え方の開示、個別の政策保有株式について保有の適否の検証及びその内容の開示、具体的な議決権行使基準の策定・開示」
  2.   85.8%(前回調査比11.0ポイント減)
     
  3. ○ 原則3-1「経営陣幹部の解任に当たっての方針・手続及び個々の解任についての説明の開示」
  4.   91.5%(同0.9ポイント減)
     
  5. ○ 補充原則4-1③「最高経営責任者等の後継者計画の策定・運用への関与、後継者候補の計画的な育成の監督」
  6.   68.6%(同18.0ポイント減)
     
  7. ○ 補充原則4-2①「経営陣の報酬の客観性・透明性ある手続に従った報酬制度の設計及び具体的な報酬額の決定」
  8.   66.0%(同4.9ポイント減)
     
  9. ○ 補充原則4-3②「客観性・適時性・透明性ある手続に従ったCEOの選任」
  10.   83.2%(新設)
     
  11. ○ 補充原則4-3③「その機能を十分発揮していないと認められる場合にCEOを解任するための客観性・適時性・透明性ある手続の確立」
  12.   85.8%(新設)
     
  13. ○ 原則4-8「少なくとも3分の1以上の独立社外取締役を選任することが必要と考える会社における十分な人数の独立社外取締役の選任」
  14.   87.2%(同2.5ポイント増)
     
  15. ○ 補充原則4-10①「独立社外取締役を主要な構成員とする任意の指名委員会・報酬委員会など独立した諮問委員会の設置」
  16.   48.3%(同28.4ポイント減)
     
  17. ○ 原則4-11「ジェンダーや国際性の面を含む多様性と適正規模が両立された取締役会の構成、適切な経験・能力及び必要な財務・会計・法務に関する知識を有する者の監査役への選任」
  18.   68.9%(同27.6ポイント減)

 また、市場第一部の会社について、コード全体のコンプライ/エクスプレインの状況をみると、78原則のうち、全社がコンプライしている原則は7原則(原則1-1、補充原則1-1③、原則1-6、原則3-2、補充原則4-13①②③)であった。

 反対に、コンプライ率が低い原則(80%未満)は、次のようになっている。

  1. ○ 補充原則4-10①「独立社外取締役を主要な構成員とする任意の指名委員会・報酬委員会など独立した諮問委員会の設置」
  2.   52.1%(前回調査比27.2ポイント減)
     
  3. ○ 補充原則1-2④「議決権の電子行使のための環境整備(例:議決権電子行使プラットフォームの利用等)、招集通知の英訳」
  4.   52.7%(同0.9ポイント増)
     
  5. ○ 補充原則4-2①「経営陣の報酬の客観性・透明性ある手続に従った報酬制度の設計及び具体的な報酬額の決定」
  6.   69.9%(同5.1ポイント減)
     
  7. ○ 原則4-11「ジェンダーや国際性の面を含む多様性と適正規模が両立された取締役会の構成、適切な経験・能力及び必要な財務・会計・法務に関する知識を有する者の監査役への選任」
  8.   69.9%(同27.0ポイント減)
     
  9. ○ 補充原則4-1③「最高経営責任者等の後継者計画の策定・運用への関与、後継者候補の計画的な育成の監督」
  10.   70.4%(同17.3ポイント減)
     
  11. ○ 補充原則3-1②「海外投資家等の比率を踏まえた英語での情報の開示・提供の推進」
  12.   78.9%(同0.2ポイント減)

 

  1. 東証、コーポレートガバナンス・コードへの対応状況の集計結果(2018年12月末日時点)(2月21日)
    https://www.jpx.co.jp/news/1020/20190221-01.html
  2. ○ コーポレートガバナンス・コードへの対応状況(2018年12月末日時点)
    https://portal.shojihomu.co.jp/wp-content/uploads/2019/03/nlsgeu000003u5kr.pdf
  3. ○ 過去の対応状況等
    https://www.jpx.co.jp/equities/listing/cg/index.html
  4.  
  5. 参考
    SH1398 東証、コーポレートガバナンス・コードへの対応状況の集計結果(2017年7月時点)を公表(2017/09/19)
    https://www.shojihomu-portal.jp/article?articleId=4476832

 

タイトルとURLをコピーしました