国交省、平成27年度のマンション管理業者への全国一斉立入検査結果を公表
国交省は、7月15日、同省の各地方整備局、北海道開発局、内閣府沖縄総合事務局が昨年10月中旬から約3カ月間において実施したマンション管理業者への全国一斉立入検査の結果を公表した。マンション管理については、「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」(以下「適正化法」)が平成13年8月に施行されているが、この立入検査は平成17年度以降行われているものである。
今回の検査は、マンション管理業者2,185社(平成27年度末現在の登録数)のうち全国135社を任意抽出して行われた。昨年度に続き、管理業務主任者の設置、重要事項の説明等、契約の成立時の書面の交付、財産の分別管理、管理事務の報告、の5つの重要項目を中心に、135社(昨年度は149社)に立入検査を行い、51社(同60社)に対して是正指導を行った。指導率は37.8%(同40.3%)であった。
昨年度と比較して、是正指導社数・指導率ともに減少したが、管理組合財産の分別管理方法等の改正を行った平成21年5月の省令改正に係る違反を除いた是正指導社数が26社、指導率が19.3%であることからすると、同制度改正への理解不足がみられる結果となっている。
管理適正化法の条項ごとの是正指導社数(重複あり)をみると、昨年度に引き続き、「重要事項の説明等(72条関係)」が39社ともっとも多く、次いで、「契約の成立時の書面の交付(73条関係)」27社、「管理事務の報告(77条関係)」22社、「財産の分別管理(76条関係)」20社、「管理業務主任者の設置(56条関係)」2社、となっている。なお、複数の事項について重複して是正指導を受けた業者が多かったとされる。
国交省としては、立入検査時に、違反のあった業者に対しては、違反状態の是正を指導するなどしたところであるが、さらに関係団体である一般社団法人マンション管理業協会に対しても、「法令遵守のための会員指導として導入したモニタリング制度を活用し、マンションの管理の適正化の推進に関する法律に基づく指定法人として、より一層、社員等に対する法令遵守の徹底を図るための研修活動等を推進し、マンション管理業全般の適正化に向けた会員指導等を図られたい」とし、「今回の要請を受けての会員指導等の実施状況については後日報告されたい」とする要請を行った。
国交省、マンション管理業者への全国一斉立入検査結果(平成27年度)の概要(15日)
http://www.mlit.go.jp/report/press/totikensangyo16_hh_000134.html
マンション管理業者の全国一斉立入検査結果(平成27年度)の概要について
http://www.mlit.go.jp/common/001138873.pdf
マンション管理業の適正化について
http://www.mlit.go.jp/common/001138877.pdf