SH4728 人的資本経営の実践と情報開示の実務対応 第10回:人材版伊藤レポートから人材版伊藤レポート2.0 堀田陽平(2023/12/11)

ディスクロージャー組織法務経営・コーポレートガバナンス

人的資本経営の実践と情報開示の実務対応
第10回:人材版伊藤レポートから人材版伊藤レポート2.0

日比谷タックス&ロー弁護士法人

弁護士 堀 田 陽 平

 

第2部 人的資本経営の実践
 第10回:人材版伊藤レポートから人材版伊藤レポート2.0

【今回の狙い】

 連載第10回では、次回以降人材版伊藤レポート2.0について解説していく前に、人材版伊藤レポートから人材版伊藤レポート2.0までの経緯と人材版伊藤レポート2.0の全体像について解説します。

 

【今回の主なターゲット】

  • 経営戦略部門
  • 人事担当部門

 

1 人材版伊藤レポートから人材版伊藤レポート2.0までの動き

  2020年9月に経済産業省経済産業政策局産業人材政策課が「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会」の報告書として、人材版伊藤レポートを公表した後、同じく経済産業省経済産業政策局産業人材政策室(当時)で、2021年7月から「人的資本経営の実現に向けた検討会」が開始されました。

 また、2021年9月から、人材版伊藤レポートが示した経営陣、取締役会が果たすべき役割、3P・5Fモデルの取組状況を把握するため、「人的資本経営に関する調査」を実施しました。

 

2 「人的資本経営に関する調査」の調査結果

 「人的資本経営に関する調査」の調査結果は、令和4年5月に公表されています。

 詳細は、以下のURLをご覧いただければと思いますが、全体的にはまだ道半ばといったところでしょう。

 

(図)人的資本経営の取組進捗(経営陣の認識)

出典:経済産業省「人的資本経営に関する調査 集計結果」(令和4年5月)4頁

 

 とはいえ、この点は特に悲観する必要はないでしょう。

 そもそも前年に出された人材版伊藤レポートを基にして作られた調査であるので、まだ取組が進んでいないことは当然です。

 重要なのは、この結果が今後どのように変わっていくかということでしょう。

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(ほった・ようへい)

2016年弁護士登録(第69期。第二東京弁護士会)。2017年鳥飼総合法律事務所入所。
2018年7月現在の事務所へ移籍。2018年10月から経済産業省経済産業政策局産業人材政策室(当時。現在は「課」)に任期付き職員として着任。
経済産業省では、兼業・副業の推進、テレワークの推進、フリーランス政策等の柔軟な働き方に関する政策立案や、人材版伊藤レポートの策定等の人的資本経営の推進に関する政策立案等に従事。経済産業省から帰任後も人的資本経営の実践・開示に関するセミナーや寄稿を行う。

 

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