SH4073 環境省、「グリーンボンド及びサステナビリティ・リンク・ボンドガイドライン2022年版」、「グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン2022年版」を公表 佐々木慶 /岡田奈穂(2022/07/21)

組織法務サステナビリティ

環境省、「グリーンボンド及びサステナビリティ・リンク・ボンドガイドライン2022年版」、「グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン2022年版」を公表

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業

弁護士 佐々木   慶

弁護士 岡 田 奈 穂

 

 環境庁は、わが国のサステナブルファイナンス市場をさらに健全かつ適切に拡大していくため、2021年12月にグリーンファイナンスに関する検討会(第三次)を設置、検討会では、①ICMA(International Capital Market Association-国際資本市場協会)のグリーンボンド原則等の国際原則の動き、および②市場および国内の政策動向の2つのポイントから、グリーンボンドガイドライン等の各種ガイドラインの見直し等の検討が行われた。

 検討会での議論およびパブリックコメント手続を踏まえ、2022年7月5日、環境省は「グリーンボンド及びサステナビリティ・リンク・ボンドガイドライン2022年版」(以下「本ボンドガイドライン」という。)および「グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン2022年版」(以下「本ローンガイドライン」といい、本ボンドガイドラインと総称して「本ガイドライン」という。)の改訂(なお、サステナビリティ・リンク・ボンドガイドラインは今回が初めての策定)を実施した。

 本ガイドラインでは、グリーンボンド原則等の国際原則を踏まえながら、グリーン性の判断基準の明確化や、資金調達者による市場説明の強化等を行い、ガイドラインとしての利便性向上と、グリーンウォッシュ(実際は環境改善効果がない、または、調達資金が適正に環境事業に充当されていないにもかかわらず、環境面で改善効果があると称すること)防止の双方に対応することが図られている。

 なお、本ガイドラインには法的拘束力はない。本ガイドラインの「べき」等の記載ぶりにかかわらず、発行体や借入人が本ガイドラインに従うことは法的義務ではなく、また一般的には既存の社債・ローンの内容を合わせる必要もないという基本的な位置づけについては注意されたい。

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(ささき・けい)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業パートナー。2004年東京大学法学部卒業。2005年弁護士登録(第二東京弁護士会)。2012年米国ニューヨーク大学ロースクール(LLM)修了。2014年ニューヨーク州弁護士登録。バンキング、不動産ファイナンス、プロジェクトファイナンス、ファンド、信託取引、フィンテックなど金融取引を幅広く取り扱う。

 

(おかだ・なお)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業アソシエイト。2010年東京大学法学部卒業。2012年東京大学法科大学院卒業。2013年弁護士登録(第一東京弁護士会)。2020年米国University of California, Los Angeles School of Law(LLM)修了。2021年ニューヨーク州弁護士登録。2020年-2021年米国ニューヨーク Mayer Brown法律事務所勤務。不動産ファイナンス、プロジェクトファイナンス、エネルギー関連事業等多様なファイナンス案件を手がける。

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/

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