経産省の「法務機能の在り方研究会」が機能強化でワーキンググループの初会合を開催
――有効な法務機能を社内にどう実装するか、改善策を検討して研究会に諮る――
経済産業省の「国際競争力強化に向けた日本企業の法務機能の在り方研究会」(座長=名取勝也・名取法律事務所代表弁護士。以下「在り方研究会」という)は2月22日、同研究会のワーキンググループと位置付けられる「法務機能強化 実装ワーキンググループ」の初会合を開いた。
在り方研究会では昨年4月付で「国際競争力強化に向けた日本企業の法務機能の在り方研究会報告書 [概要] 」を公表している。ワーキンググループ(以下「WG」という)の開催は、なお未解決となった課題・悩みの解消を実現するための方策について検討するとし、在り方研究会が今年1月18日に開催した第5回会議(フォローアップ会合)において(A)法務機能強化 実装WG、(B)法務人材 育成WGの2つのWG設置を了承していたもの。
(B)が「高度法務機能を担う人材を社内・大学等で育成するため、スキルセットを可視化し、具体的な育成方法を示す」ことを目標として掲げるのに対し、(A)では「各社が現状把握(自己診断)や改善を行えるよう、 類型別の標準モデルや実装に向けた必須要素を示す」ことを目指す。企業法務実務者を中心に、サントリーホールディングス株式会社取締役専務執行役員、一橋大学イノベーション研究センター教授、株式会社メルカリ社長室兼法務担当マネージャー、経営法友会評議員、シティライツ法律事務所弁護士、Airbnbシニアカウンセル(日本法務本部長)の6名が委員に就任した。
(1)課題や悩みという現状を共有しつつ、(2)どのようにあるべきかといった理想像を念頭に置きながら、(3)現状と理想像のギャップを解消する改善策を探る。
企業の規模・業態等の特性を考慮して議論を進めていくものとされており、議論対象となる論点としては、(1)に関して①経営層を含めた社内全体で法務機能が発揮できているか、②法務が経営層や事業部門からどのように評価されているか、(2)について①法務機能の在り方(経営への関与の在り方)、②有益な領域・活用方法の整理(ミッション設定等)、(3)として①法務機能に関する社内(経営層・事業部門等)、 法務自身の意識改革・向上の方法、②経営層(経営戦略・ガバナンス)へのビルトイン・ リンケージ構築方法、事業部門・海外子会社等のオペレーションへの有効なコミットの方法、③既存業務の圧縮(リーガルテックの導入、外部弁護士の活用等)による有効なリソース配分――が想定されている。