金融庁、有価証券報告書の英訳公表企業を一覧化して閲覧可能に
――EDINET(英語サイト)にアップ、「提出会社の皆様へ」と掲載呼びかけも――
金融庁は3月8日、「英訳した有価証券報告書を自社ウェブサイト上に掲載している企業の一覧表」を EDINET(英語サイト)に掲載したとして、これを発表した。
同ページ上段の枠内やや下方にある「Links to English translations of ASRs (15 March 2019)」(3月18日現在の確認による)をクリックすると、3月15日時点で最終更新された計16社について、①証券コード、②英語表記の会社名、③日本語表記の会社名、④当該会社において英訳が閲覧可能な有価証券報告書の同社ウェブサイト内の掲載ページ一覧、⑤国税庁指定の法人番号が確認できる。
3月18日現在で一覧化されているのは掲載順に、日清製粉グループ本社、太陽ホールディングス、楽天、コマツ、クボタ、TDK、アドバンテスト、日産自動車、エフ・シー・シー、リコー、Jトラスト、アコム、松井証券、トーセイ、日本電信電話、NTTドコモの16社。たとえば、日清製粉グループ本社の上記④をクリックすると、同社の2005年3月期以降2018年3月期まで14期分の “Securities Report” が閲覧できる状況となっている。
金融審議会のディスクロージャーワーキング・グループ(座長・神田秀樹学習院大学大学院教授)が昨年6月28日に取りまとめた報告書「金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループ報告 -資本市場における好循環の実現に向けて-」において、「英文による情報提供」を課題として取り上げた次の3点中(2)の一部を金融庁として実現した措置。(1)EDINET 上の情報について、財務諸表本表や提出書類の見出しの英文化など、システム上で一定程度英訳を進める。(2)企業における有価証券報告書の英訳を慫慂するために、金融庁のウェブサイトで有価証券報告書の英訳を実施している企業の一覧を公表することや海外投資家の要望の強い政策保有株式について自社のウェブサイトにおいて英訳して公表することを促す。(3)既に企業が任意に有価証券報告書を英訳している場合にはその結果を活用するために、英訳された有価証券報告書を EDINET の英語サイトに掲載することを可能とする。
金融庁では「英訳した有価証券報告書を自社ウェブサイト上に掲載し、かつ取組みにご賛同いただける企業」を対象とし、本一覧表への掲載を呼びかけている。希望する企業は、(ア)当該ウェブサイトのURL(英訳有価証券報告書の掲載ページ)、(イ)担当者氏名(部署、役職)、(ウ)連絡先(電話番号またはメールアドレス)を明記し、EDINET 提出者用連絡窓口へ連絡することで、定期的に取りまとめの上、本件一覧表へ掲載される。