◇SH2504◇日産自動車が臨時株主総会で前会長らの取締役職を解任、ルノー会長を取締役に選任 (2019/04/24)

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日産自動車が臨時株主総会で前会長らの取締役職を解任、ルノー会長を取締役に選任

――東京地検特捜部は「オマーン・ルート」容疑で保釈中のゴーン氏を再逮捕――

 

 日産自動車は4月8日、臨時株主総会を開催し、前代表取締役会長カルロス・ゴーン氏らについて取締役の職を解任するとともに、筆頭株主であるルノーの取締役会長ジャンドミニク・スナール氏を新たに取締役として選任した。

 日産は同日、「第1号議案 取締役カルロス ゴーン解任の件」「第2号議案 取締役グレッグ ケリー解任の件」「第3号議案 第1号議案承認を条件としてジャンドミニク スナール氏を取締役に選任する件」の3項目の決議事項が提案され、すべて承認されたと発表。出席株主数は4,119名、所要時間は2時間57分であったという。

 日産ではすでに昨年11月22日、同日開催の取締役会において①ゴーン氏の会長職・代表権を、②ケリー氏の代表権をそれぞれ解いている(SH2212 日産自動車、ゴーン会長ら2代表取締役を内部通報・内部調査を経て解職(2018/11/27)既報)。今般、両氏の「取締役の職についても解くことが相当であると判断」したとされ、今年2月5日の取締役会で本総会の開催を決議していた(SH2350 日産自動車、ゴーン前会長らの取締役解任等で臨時株主総会開催を決議(2019/02/19)既報)。

 日産が4月10日に提出した臨時報告書によると、各議案は第1号議案:99.8%、第2号議案:99.8%、第3号議案:97.3%の賛成割合をもって可決されている。第3号議案は、第1号議案が原案どおり承認可決された場合に取締役ゴーン氏の補欠としてスナール氏を選任しようとするもので、スナール氏は今年1月に仏ルノーの新会長となったミシュラングループ最高経営責任者。日産は「日産、ルノー、三菱自動車のアライアンスを安定化し、アライアンスのベネフィットを積極的に活用していくことで、事業の安定化につなげていく」と表明した(4月8日付発表)。

 なお、東京地検特捜部は4月4日、3月6日に保釈されていたゴーン氏を会社法違反(特別背任)の疑いで再逮捕。4回目となる今回の逮捕は、日産の海外子会社・中東日産会社(アラブ首長国連邦)が2015年12月〜2018年7月の間、オマーンの販売代理店に複数回に分けて支出した日産の資金計1,500万ドル(約16億9千万円)のうち計500万ドル(約5億6千万円)を同氏が実質的に保有する口座に送金させ、日産に損害を与えたとする容疑による。還流先には同氏の妻・息子の会社も含まれるとされており、4月5日にフランスへ出国した妻に関しては東京地裁で11日、刑事訴訟法226条(公判期日前の証人尋問)に基づき証人尋問が実施され、再来日して出頭した妻に対し、特捜部が経緯や使途について尋問したものとみられている。

 ゴーン氏は4月3日、保釈後初めてとなる自身の記者会見を同月11日に行うと表明。特捜部の案件で保釈後に再逮捕されるのは異例とされ、同氏の弁護人を務める弁護士は再逮捕当日のうちに記者会見し、逮捕の合理性や必要性がないなどと強く批判した。

 

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