◇SH2727◇東証、市場第一部上場会社における独立社外取締役の選任状況等を更新――報酬委員会の設置比率が初めて5割を超える (2019/08/21)

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東証、市場第一部上場会社における独立社外取締役の選任状況等を更新

――報酬委員会の設置比率が初めて5割を超える――

 

 東京証券取引所は8月1日、「東証上場会社における独立社外取締役の選任状況及び指名委員会・報酬委員会の設置状況」を発表した。

 東証において近年、7月半ばまでに提出されたコーポレート・ガバナンスに関する報告書(以下「CG報告書」という)に基づいて集計、この時期に発表している選任状況・設置状況の最新版となる。東証では「市場第一部において、3分の1以上の独立社外取締役を選任する会社及び指名委員会・報酬委員会を設置する会社の数が大きく増加」し、この要因として「2018年6月のコーポレートガバナンス・コード改訂により、指名・報酬に関する独立した諮問委員会を設置することが原則とされたことから、諮問委員会の設置が進むとともに諮問委員会の主たる構成員として期待される独立社外取締役の選任も進んだものと考えられ」ると総括している。

 本年は7月12日までに提出されたCG報告書に基づき、市場第一部上場会社2,148社(昨年は2,099社。括弧内について、以下同様)に関して取りまとめた。昨年公表された「相談役・顧問等の開示状況」に係る集計・発表は、本年はみられない。なお、本集計における「独立社外取締役」とは、独立役員(独立性の高い社外取締役または社外監査役)として届け出られている社外取締役のことである。

 上場会社における「会社法上の機関設計の選択状況」を市場別にまず確認しておくと、付属の参考資料によれば(ア)市場第一部:2,148社(2,099社)中、(a)指名委員会等設置会社:63社・2.9%(60社・2.9%)、(b)監査等委員会設置会社:576社・26.8%(512社・24.4%)、(c)監査役会設置会社:1,509社・70.3%(1,527社・72.7%)となっている。他の市場については次のとおり。(イ)市場第二部:488社(511社)中、(a)指名委員会等設置会社:4社・0.8%(3社・0.6%)、(b)監査等委員会設置会社:163社・33.4%(161社・31.5%)、(c)監査役会設置会社:321社・65.8%(347社・67.9%)、(ウ)マザーズ:291社(259社)中、(a)指名委員会等設置会社:5社・1.7%(4社・1.5%)、(b)監査等委員会設置会社:75社・25.8%(48社・18.5%)、(c)監査役会設置会社:211社・72.5%(207社・79.9%)、(エ)JASDAQ:712社(729社)中、(a)指名委員会等設置会社:4社・0.6%(4社・0.5%)、(b)監査等委員会設置会社:187社・26.3%(169社・23.2%)、(c)監査役会設置会社:521社・73.2%(556社・76.3%)。機関設計として「監査等委員会設置会社」を選択する例が、市場第一部およびマザーズにおいて顕著に増加したことが把握できる。

 本年の集計結果から市場第一部上場2,148社(2,099社)について(1)2名以上の独立社外取締役の選任状況、(2)3分の1以上の独立社外取締役の選任状況、(3)指名委員会の設置状況、(4) 報酬委員会の設置状況を順にみると、上記(1)は2,007社・93.4%(1,916社・91.3%、昨年比2.1ポイント増)が選任しており、「JPX日経400」構成銘柄397社(399社。市場第一部上場会社に限られない)に絞ると実に393社・99.0%(390社・97.7%、昨年比1.3ポイント増)にのぼる結果となった。

 また、(2)については937社・43.6%(706社・33.6%、昨年比10.0ポイント増)、JPX日経400では221社・55.7%(162社・40.6%、昨年比15.1ポイント増)となっており、東証が総括したとおり「大きく増加」している状況が確認できる。市場第一部2,148社(2,099社)の1社当たりの独立社外取締役の人数は、取締役会全体の平均人数9.1人(9.17人)に対し、2.7人(2.46人)である。

 上記(3)の指名委員会については、市場第一部(任意で設置する会社を含む)で1,067社・49.7%(719社・34.3%、昨年比15.4ポイント増)、JPX日経400では303社・76.3%(244社・61.2%、昨年比15.1ポイント増)の会社において設置されている状況となり、大幅に増加した。第一部上場会社における指名委員会の社外取締役の平均人数は、法定の場合:4.2人(4.3人)、任意の場合:4.7人(4.7人)。任意設置の指名委員会において過半数が社外取締役である比率は61.4%(52.7%、昨年比8.7ポイント増)まで高まり、6割を超える状況となった。なお、指名委員長が社外取締役である比率は、法定の場合:81.0%(75.0%、昨年比6.0ポイント増)、任意の場合:49.2%(43.9%、昨年比5.3ポイント増)である。

 (4)の報酬委員会についても設置会社は顕著に増加しており、市場第一部(任意で設置する会社を含む)で1,125社・52.4%(792社・37.7%、昨年比14.7ポイント増)と5割を超えて設置、JPX日経400で308社・77.6%(254社・63.7%、昨年比13.9ポイント増)にのぼった。第一部上場会社の報酬委員会における社外取締役平均人数は、法定の場合:3.9人(3.9人)、任意の場合:4.6人(4.6人)。任意設置の報酬委員会で過半数が社外取締役である比率は60.6%(51.0%、昨年比9.6ポイント増)に上昇、指名委員会の状況と同様に6割を超えている。報酬委員長が社外取締役である比率は、法定の場合:81.0%(75.0%、昨年比6.0ポイント増)、任意の場合:49.2%(43.9%、昨年比5.3ポイント増)となる(編注・いずれの場合も指名委員長が社外取締役である比率と同一)。

 東証では今後、本年秋を目途として「コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく取組状況」「取締役会・諮問委員会の活動状況」等に係る開示の状況についても公表する予定としている。

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