企業法務フロンティア
グループガイドラインの手引き~ つまみ食いのポイント(後編)~
日比谷パーク法律事務所
弁護士 水 野 信 次
本稿は、2019年6月28日、経済産業省が公表した、「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針」(グループガイドライン)の検討にあたってのつまみ食いのポイントの手引きを試みるものである。
すなわち、各企業において、当該企業における最適なグループガバナンスの在り方を検討する際、グループガイドラインのどこを参照して当該企業の実務に即した指針として参照するのか、グループガイドラインのつまみ食いのポイントを大胆に手引きしたい。
本編は、グループガイドラインの第4章から第6章を取り上げる最終編である。
なお、以下でカッコ書き「(1.2【10】)」で記載している数字は、グループガイドラインの項数と頁数である。上記の例では、グループガイドラインの10頁に記載されている第1章「1.2 ガイドラインの位置づけ」を参照するものとしてご理解願いたい。
第4章 内部統制システムの在り方
この章では、いわゆる「守りのガバナンス」に関連の深い内部統制システムの在り方について記載されている。グループガイドラインでは、グループガバナンスがテーマとされているが、この章では、特に、グループ経営に固有の問題にとどまらず、その前提となる法人単体とグループ経営に共通する論点についても、基本的な事項について整理をした上で、グループガバナンス固有の問題に架橋する構成となっている(1.4【12】)。
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