◇SH2994◇富士電機、「介入するよう求められ」た子会社の架空取引を巡り不正はなかったと結論――顧問弁護士を含む特別調査委員会の調査結果を公表、計38件を実体なしと判断 (2020/02/04)

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富士電機、「介入するよう求められ」た子会社の架空取引を巡り
不正はなかったと結論

――顧問弁護士を含む特別調査委員会の調査結果を公表、計38件を実体なしと判断――

 

 

 富士電機(本社事務所・東京都品川区、東証市場第一部・名証市場第一部・福証上場)は1月24日、同社の連結子会社である富士電機ITソリューション(本社・東京都千代田区、非上場。主要株主は富士電機および富士通、以下「FSL」という)の他社との架空取引関与の疑いに関する同日の一部報道を受け、特別調査委員会を昨年12月に設置したことなどを発表した。同月30日には調査が完了したとし、 FSLによる不正の証拠は認められなかった旨を表明している。

 1月24日付の発表によると、同社では昨年11月、FSLの商取引に関して実在性に疑義のある取引が複数年にわたって行われていた可能性があるとの情報を受け、ア)親会社である同社が外部の専門家および取引先の協力を得て社内調査を実施したところ、当該取引が一部存在するとの認識に至ったことから、イ)客観性を高めるため、外部の専門家のみからなる特別調査委員会を12月に設置。上記アの社内調査においても「FSL社員が当該取引が実体のない架空取引であったことを認識していたことを示す証拠」は認められなかったという。

 イの特別調査委員会はいずれも東京都内にある法律事務所・公認会計士事務所の弁護士3名および公認会計士1名で構成された。委員のうち2名は同社の顧問弁護士であり、同社によれば、ⅰ)「当社事業に精通しているため、当委員会としての事実関係の早期究明にとって不可欠であると判断」し、ⅱ)「日本弁護士連合会の『企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン』を最大限尊重して調査にあたって」いるとした。委員会の設置目的は、①本件事実関係の調査、②本件事実関係が当社の業績等に及ぼす影響の把握、③本件事実関係と類似する事象の有無の調査、④本件事実関係に係る原因分析、⑤再発防止策の提言の5項目である。

 同社において本件に関する第2報となったのが1月30日付の発表で、(A)特別調査委員会による調査が昨年12月24日〜今年1月26日、a)本件取引の証憑その他社内外関係書類の分析、b)同社グループから完全に独立したフォレンジック専門機関を通じてアップロードした本件取引に関与したすべてのFSL関係者のPC・メールサーバデータの分析、c)本件取引に関与したFSL営業責任者の携帯電話のメールデータ等の分析、d)社内外関係者への1回または複数回にわたってのインタビュー等により実施されたことを明らかにするとともに、調査結果として(B)2015年3月〜2019年10月の間における計38件・売上金額242億円の取引について「いずれも実体がないもの(架空取引)と判断しております」と表明、一方で「FSLによる不正の証拠は認められませんでした」と結論付けた。連結財務諸表への影響は軽微であるとして過年度修正は行わない。

 同社の発表によると、架空と判断したいずれの取引も「以前より取引実績のある某社から、機密性の高い官公庁を最終需要家とするIT機器・ソフトウェアの商流において、取引上の必要性から某社が指定する仕入先と販売先との間の取引(直送取引)に介入するよう求められ」たものとされている。なお、別の一部報道では、東証一部上場のシステム開発会社による循環取引において、FSLは東芝ITサービス、日鉄ソリューションズなどと並びその名が挙げられている。

 富士電機では「特別調査委員会より、上記架空取引に巻き込まれた原因として、リスク管理の甘さを厳しく指摘され」たとし、架空取引に係るリスクマップの見直し、管理者・営業部門におけるリスク意識徹底のための教育の実施といった委員会からの再発防止の提言を踏まえ、リスク管理体制を強化していくとしている。

 

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