◇SH2996◇デジタル市場競争会議、デジタルプラットフォームの透明性等向上で新法案の概要を決定――契約条件の開示、手続・体制の自主的整備など求め、不当行為の禁止は導入せず (2020/02/05)

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デジタル市場競争会議、デジタルプラットフォームの
透明性等向上で新法案の概要を決定

――契約条件の開示、手続・体制の自主的整備など求め、不当行為の禁止は導入せず――

 

 デジタル市場競争会議(議長・内閣官房長官)は1月28日、持ち回り開催となった第3回会合で「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律案(仮称)」の概要を決定した。開会中の第201回国会での法案提出が見込まれる。

 第1回会合で検討課題として掲げた「デジタル・プラットフォーマー取引透明化法」に相当するもので、昨年内の取りまとめが合意されていた(SH2825 第1回「デジタル市場競争会議」が開かれる――多岐にわたり「年内取りまとめ」を合意、専門的検討のワーキンググループも開催 (2019/10/15)既報)。同会議では昨年12月17日に開いた第2回会合で「デジタル・プラットフォーマー取引透明化法案(仮称)の方向性」を提示、新法案の内容に関する方向性を取りまとめたものとして同一の資料が同月19日〜今年1月20日の間、任意の意見募集に付されていた。

 なお、専門的・多角的な見地からは「デジタル市場競争会議ワーキンググループ」(座長・依田高典京都大学大学院教授)が昨年10月8日〜12月10日の間に計7回の会合を開催して検討。また、上記「方向性」には502件の意見が寄せられたとし、「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律案(仮称)」の概要とともに1月28日、(ア)「主な意見の概要」と(イ)デジタル市場競争本部(本部長・内閣官房長官)事務局としての「考え方」が公表されている。

 今般明らかになった法律案の概要と上記「考え方」によると、具体的な規律の対象は当面「各種調査で取引実態が明らかとなっている大規模なオンラインモール・アプリストア」であり、たとえば「百貨店等の実店舗での小売り、自身が調達した商品をオンラインで直接販売する通販、放送法上の放送等は対象とならないことを明らかにする」ものとされた。

 規律の対象となる「特定デジタルプラットフォーム(特定DPF)提供者」には「透明性・公正性向上のための情報開示と手続・体制整備」として、(1)取引条件等の情報の開示、(2)自主的な手続・体制の整備、(3)運営状況のレポートとモニタリング・レビューが求められることになる。(1)は利用者に対する契約条件の開示、変更等の事前通知を義務付けるもので、例示された開示項目は、①取引拒絶をする場合の判断基準、②他のサービスの利用を要請する場合、その旨・理由、③契約変更や契約に無い作業要請等を行う場合、事前に内容と理由を通知、④取引拒絶をする場合、事前にその旨と理由を通知、⑤問合せ、苦情等への対応に関する事項(窓口、処理フロー等)、⑥検索順位を決定する基本的な事項(アルゴリズムの開示ではない)、⑦特定DPF提供者が取得・使用するデータの内容、条件、⑧利用者によるデータの取得・使用の可否とその範囲、方法等ーーの8点となる。

 上記(2)は運営における公正性確保の観点から自主的な整備を求めるもので、経済産業大臣が定める指針を踏まえることとされた。当該指針の項目例として、次の3点が挙げられている。①商品等提供者に適切な対応をするための体制整備(国内管理人等の対応体制を含む)、②取引の公正さを確保するための手続や体制の整備、③紛争処理体制等の整備。

 (1)および(2)には行政措置が盛り込まれることとされ、(1)で「開示がなされない場合」に勧告・公表が、「それでも正当な理由なく是正されない場合」に措置命令が予定されている。(2)では「特に必要な場合」に限り、勧告・公表がなされる。

 その他、特徴的な規律として(4)公正取引委員会との連携、(5)商品等提供者の情報提供を容易にする手当て、(6)主務大臣等、(7)国内外の法適用に関する概要が掲げられており、(4)では「独占禁止法違反のおそれがあると認められる事案を把握した場合には、公正取引委員会に対し、同法に基づく対処を要請する仕組みを設ける」ものとしたほか、(7)では「内外の別を問わず適用」することを前提として公示送達の手続を整備する。

 一方、「競合商品を拒絶」「自社サービスなどの利用強制」といった一定の取引上の不当行為を法律上禁止するかについては、「事業者のイノベーションを阻害する懸念があることも踏まえ、本法案では導入しない」ことが明言された。

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