「割賦販売法の一部を改正する法律案」が国会に提出される
――少額の分割後払い規制の導入、審査手法の高度化への対応、QRコード決済事業者等のセキュリティ対策強化――
「割賦販売法の一部を改正する法律案」が3月3日に閣議決定の上、国会に提出された(閣法39号)。
経済産業省によると、決済テクノロジーが進展する中、決済サービス・主体が多様化しており、新しい技術・サービスに対応し、利用者が安全・安心に多様な決済手段を円滑に利用できる環境を整備することが必要であるとされる。今般の改正では、①少額の分割後払いサービスについて登録制度を創設するとともに、②限度額審査について、蓄積されたデータ等に基づく高度な審査手法を許容することとしている。あわせて、③QRコード決済事業者等をクレジットカード番号等の適切管理義務の対象に追加するなどの措置を講じることとしている。
法律案の概要は、次のとおりである。
- ① 少額の分割後払い規制の導入
- 少額(極度額10万円以下)の分割後払いサービスの提供事業者について、登録制度を創設する。登録要件として純資産要件や適切な限度額審査に関する要件を定めるとともに、消費者保護規制(カード交付時・利用時の書面交付、個人情報の取扱い、抗弁の接続等)やセキュリティ規制については、従来のクレジットカード会社と同等のものを課すこととする。
- ② 審査手法の高度化への対応
- 蓄積されたデータ等に基づく高度な限度額審査の手法について、経済産業大臣が認定する制度を創設する。認定事業者は、認定を受けた審査手法をもって、現行の支払可能見込額調査に代えることができることとする。その際、事前に審査手法や内部管理体制を確認するとともに、事後も定期報告等により実施状況を監督する。著しく不適正な場合には、改善命令、認定取消し等を行うこととする。
- ③ QRコード決済事業者等のセキュリティ対策強化
- 現行のクレジットカード会社、立替払取次業者、加盟店に加え、新たに決済システムにおいて大量のクレジットカード番号等を取り扱う事業者(決済代行業者、QRコード決済事業者・ECモール事業者等)についても、クレジットカード番号等の適切管理を義務化することとする。
- ④ その他
- ○ 書面交付義務の見直し
- クレジットカード会社から利用者に対する書面交付の義務について、電磁的方法を含む情報提供の義務とするなど、交付方法を柔軟化する。
- ○ 業務停止命令の導入
- クレジットカード会社に対する監督手段として、実効的な履行確保措置を講じる観点から、業務停止命令を新たに設ける。
- ⑤ 施行日
- 公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとする。
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経産省、「割賦販売法の一部を改正する法律案」が閣議決定されました(3月3日)
https://www.meti.go.jp/press/2019/03/20200303001/20200303001.html -
○要綱
https://www.meti.go.jp/press/2019/03/20200303001/20200303001-1.pdf -
○法律案・理由
https://www.meti.go.jp/press/2019/03/20200303001/20200303001-2.pdf -
○新旧対照表
https://www.meti.go.jp/press/2019/03/20200303001/20200303001-3.pdf -
○参照条文
https://www.meti.go.jp/press/2019/03/20200303001/20200303001-4.pdf -
○概要資料
https://www.meti.go.jp/press/2019/03/20200303001/20200303001-5.pdf