☆ベトナム:新型コロナウイルスの影響まとめ(速報) 澤山啓伍(2020/03/15)

2020年3月12日号
ベトナム:新型コロナウイルスの影響まとめ(速報)

長島・大野・常松法律事務所

弁護士 澤 山 啓 伍

 

はじめに

 3月11日、世界保健機関(WHO)は新型コロナウイルスの感染が「パンデミック(世界的流行)」に該当すると発表し、国から国への感染の広がりの制御が難しい状態にあるとの認識を示しました。感染拡大に伴う国内の各種法律問題に加え、海外に子会社・関係会社を抱える企業からの問い合わせも増えているため、速報ベースで各国の方針や影響拡大状況の概要につきお知らせ致します。なお、本記事は感染拡大が続く間、不定期に配信していきたいと思いますが、同感染症の拡大状況については日々状況が変化している中、本記事の内容がその後変更・更新されている可能性については十分ご留意の上参照ください。本記事の内容は、特段記載のない限り、2020年3月10日夜時点で判明している情報に基づいています。

 

全体概況  死亡者:0人、感染者数:38人(3月11日現在)

 中国と国境を接して経済的結びつきも強いベトナムでは、当初から警戒を強め、早期に中国とのフライトの運行停止、旧正月明けからの全国の学校の休校、感染者が複数出た北部の村の隔離などの措置を執っていた結果、2月14日以降新規の感染症例は確認されていなかった。しかし、3月6日に欧州からの帰国者とその濃厚接触者の感染が、翌7日には韓国からの帰国者の感染が判明し、突如それらの接触者計18人の感染が明らかとなった。ベトナム政府は、ある感染者との接触者500人を隔離するなど、抑え込みに全力を注いでいる。

 

主な政府発表

  1. ・ COVID-19を死亡比率が高く非常に危険な感染症であるグループAの感染症に指定(2020年2月1日付首相決定第173/QĐ-TTg号)。
  2. ・ 副首相を委員長とするCOVID-19対策国家指導委員会を設置。

 

渡航情報

  1. ・ 現時点で、ベトナム政府は日本からの渡航者を対象とした特別な措置の実施を指示していないが、ハイフォン市では、3月6日付ハイフォン市COVID19予防指導委員会通達(07/HD-BCD)に基づき、日本からの入国者等を隔離対象とするとしている[1]
  2. ・ 地域によっては、日本人の労働許可証の申請受理を拒否される事例が出ている模様。但し、労働・傷病兵・社会問題省は、在ベトナム日本国大使館に対して「中国や韓国の入国制限対象地域に過去の滞在履歴がない日本人については、通常どおり労働許可証の申請を受理し、発給業務を行っている」と回答したとのこと[2]
  3. ・ ベトナムに入国する全ての乗客に医療申告が義務付けられた。虚偽申告等には罰則が適用される。
  4. ・ 韓国、イタリアに加えて、フランス、ドイツ、英国など欧州8カ国の国民に対するビザ免除措置を一時停止。500人以上の患者が発生した国や一日に50人以上の患者が出ている国に対するビザ免除措置の停止を検討しているとのことから、日本が対象に加わるのも近いかもしれない。

 

その他

 以下の事例のように、ベトナム政府は徹底した水際対応を行っている。

  1. ・ 3月4日にカンボジアからホーチミンを経由して日本に帰国した日本人が中部国際空港の検疫で感染確認された。この日本人がカンボジアからホーチミンに搭乗していた飛行機に搭乗してベトナムに入国した乗客乗員、及びこの日本人が日本行きの便で搭乗していた機体を利用して中部国際空港からホーチミンに戻った便に搭乗していた乗客乗員のうちベトナムへの入国を希望した人は、全員隔離対象になっている。
  2. ・ 3月6日に感染が判明した欧州からの帰国者(ベトナム人)及び同人と同じ飛行機に搭乗していて陽性反応が出た外国人の接触者は、3次接触者に至るまで隔離対象となっている。

 

(さわやま・けいご)

2004年 東京大学法学部卒業。 2005年 弁護士登録(第一東京弁護士会)。 2011年 Harvard Law School卒業(LL.M.)。 2011年~2014年3月 アレンズ法律事務所ハノイオフィスに出向。 2014年5月~2015年3月 長島・大野・常松法律事務所 シンガポール・オフィス勤務 2015年4月~ 長島・大野・常松法律事務所ハノイ・オフィス代表。

現在はベトナム・ハノイを拠点とし、ベトナム・フィリピンを中心とする東南アジア各国への日系企業の事業進出や現地企業の買収、既進出企業の現地でのオペレーションに伴う法務アドバイスを行っている。

長島・大野・常松法律事務所 http://www.noandt.com/

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