◇SH0290◇金融庁、「金融分野における個人情報保護に関するガイドライン」等の改正案を公表 佐藤喬城(2015/04/16)

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金融庁、「金融分野における個人情報保護に関するガイドライン」等の改正案を公表

岩田合同法律事務所

弁護士 佐 藤 喬 城

 金融庁は、平成27年4月6日、「金融分野における個人情報保護に関するガイドライン」(以下「金融庁ガイドライン」という。)及び「金融分野における個人情報保護に関するガイドラインの安全管理措置等についての実務指針」(以下「実務指針」という。)の改正案を公表した。同改正案は、現在、パブリックコメントに付されている。

 金融庁ガイドラインにおける改正点は、大きく2点に分けられる。1点目として、第三者からの個人情報の取得時に、個人情報取扱事業者が当該第三者における個人情報の入手経緯を確認し、当該第三者が適法に個人情報を入手したことが確認できない場合は、その取引を自粛することを含め慎重に対応する等、個人情報の適正取得のための措置が追記されている(第7条)。また、2点目として、個人データの取扱いの委託に関し、再委託を実施する場合を含め委託先の監督のために望まれる事項が拡充されている(第12条)。

 一方、実務指針は、金融庁ガイドラインに基づいて個人情報取扱事業者の講ずべき安全管理措置等を明示したものと位置付けられるところ、今般の改正は、かかる安全管理措置を強化するものであると言える。具体的には、望ましい事項として、社内に個人情報の取扱いを総括する部署等を設けること、情報セキュリティ対策を強化すること、個人データの取扱いの委託に際し入退室管理の実施等を委託契約に盛り込むことが追加された。併せて、金融庁ガイドラインに基づいて整備することが求められる個人データの安全管理に係る取扱規程に関し、取得・入力、利用・加工、及び保管・保存の各管理段階において、個人データへのアクセス制御について定めることが望ましいとされた。

 今回の改正案は、「個人情報保護に関するガイドラインの改定について」(平成26年9月30日個人情報保護関係省庁連絡会議申合せ。以下「改定申合せ」という。)を踏まえたものである。改定申合せにおいては、①消費者庁が個人情報保護に関するガイドラインの改定について考え方を定め公表すること、及び、②これに基づき、各省庁が事業等分野ごとのガイドラインの改定を行うなど必要な措置を講ずることが決定された。金融庁ガイドラインに係る今般の改正点は、いずれも、改定申合せを受けて平成26年11月に消費者庁が改定した「ガイドラインの共通化の考え方について」の別添「標準的なガイドライン」と軌を一にしていると思われる。経済産業省も、平成26年12月12日付で、経済産業分野を対象とする個人情報保護ガイドラインを改定しており、引き続き、他省庁においても個人情報保護ガイドラインの改定が続くことが予想されるので、今後の動向に注目したい。

[図表:主な改正点の概要]

対象

主な改正点

金融分野における個人情報保護に関するガイドライン

第三者からの個人情報の適正取得のための措置

委託先の監督の強化

金融分野における個人情報保護に関するガイドラインの安全管理措置等についての実務指針

安全管理措置の強化


以 上

(さとう・たかき)

岩田合同法律事務所弁護士。2009年東京大学法科大学院卒業。論考に、『各業務における反社勢力対応のポイント』(共著 銀行実務658号)『Q&Aインターネットバンキング』(共著 金融財政事情研究会)等がある。

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

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1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

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