全国4証券取引所、2015年度株式分布状況調査結果を公表
東証・名証・福証・札証の全国4証券取引所は、6月20日、2015年度株式分布状況調査結果を公表した。
それによると、2015年度の全国4証券取引所上場会社(調査対象会社数3,613社)の株主数合計(のべ人数)は、前年度比366万人増(同7.8%増)の5,080万人と初めて5,000万人を超えた。
個人株主数は、前年度比362万人増(同0.1ポイント増)の4,944万人となり、増加幅は調査開始以来最高となった。個人株主数の増減要因については、上場廃止会社の影響で27万人減少したものの、日本郵政グループ3社の大型上場があったこと等の新規上場会社で172万人、投資単位引下げ等実施会社で58万人、NISA(少額投資非課税制度)をきっかけに個人投資家が買付けを行っていること等によりその他の会社で159万人の増加となったとみられている。
2015年度末(2016年3月末)の全投資部門における株式保有金額(調査対象会社3,613社の時価総額)は、前年度比57兆4,691億円減(同10%減)の518兆5,985億円と、4年ぶりの減少となった。
投資部門別にみると、外国法人等の株式保有比率は、前年比1.9ポイント減の29.8%と4年ぶりの低下となった。海外投資家の売買状況によると、2015年度は5兆1,025億円と、7年ぶりの売越しとなった。これは、リーマンショックを含む2008年度の約4兆円を超え、ブラックマンデーを含む1987年度の約6兆円に次ぐ規模であった。業種別の外国法人等の株式保有比率では、33業種中21業種で保有比率が低下しており、特に銀行業(前年比7.3ポイント減)、保険業(前年比6.8ポイント減)で大きく比率を下げた。
個人・その他の株式保有比率は、前年度比0.2ポイント増の17.5%と4年ぶりに上昇した。前年度に記録した過去最低の保有比率(17.3%)からは、小幅ながら持ち直したが、金額ベースでは9兆200億円減の90兆7,703億円となった。個人の売買状況によると、年度合計で2兆1,689億円の売越しとなり、2009年度以降7年連続の売り越しとなった。業種別の個人・その他の株式保有比率では、33業種中19業種で保有比率が低下する結果となっている。
信託銀行の株式保有比率は、前年度比0.8ポイント増の18.8%と、2年連続で増加した。信託銀行の売買状況は、年度合計で3兆3,789億円の買越しとなった。業種別の信託銀行の株式保有比率では、33業種中28業種で保有比率が上昇した。
その他の金融機関の中では、生命保険会社の株式保有比率は前年度比0.2ポイント減の3.4%と、8年連続で低下した。生命保険会社の株式保有比率は、1990年代前半に12%台だったが、1990年代後半からほぼ一貫して低下傾向である。
事業法人等の株式保有比率は、前年度比1.3ポイント増の22.6%となった。事業法人等の売買状況は、年度合計では3兆241億円の買越しと、2004年度以来12年連続で買越しとなり、金額では過去最高となった。
全国4証券取引所、2015年度株式分布状況調査の調査結果について(20日)