ミャンマー:新投資法におけるネガティブリストの公表とタックス・インセンティブ対象区域の分類
長島・大野・常松法律事務所
弁護士 山 本 匡
(1)ネガティブリストの公表
2016年10月にミャンマー投資法(Myanmar Investment Law)(新投資法)が成立した。同法第42条において、①政府のみが行うことができる投資活動、②外国投資家が行うことができない投資活動、③ミャンマー内国企業又はミャンマー国民と合弁形態によってのみ行うことができる投資活動、及び④関連当局による承認を取得して行うことができる投資活動の4種類の規制業種が設けられることが規定されている。旧外国投資法では、2016年3月に公表された通達(Notification No. 26/2016)(2016年代26号通達)において規制業種が規定されていたが、新投資法では未制定であった。
ミャンマー投資企業管理局(Directorate of Investment and Company Administration)(DICA)は、2017年2月2日に、規制業種(ネガティブリスト)を規定する通達の草案(通達草案)を公表した。同通達はまだ草案段階であるが、施行されれば、2016年代26号通達に代わるものである。
原文は以下のウェブサイトに掲載されている(ただし、ビルマ語版のみ公表されている)。
通達草案は、2016年代26号通達よりも規制業種を相当細分化して規定したという印象である。特筆すべき内容としては、従来は明文規定がないものの外資企業が行うことが禁止されていた取引業(trading)を行うことができるようになることであろう。すなわち、床面積1万平方フィート(929平方メートル)を超える小売業は、ミャンマー内国企業又はミャンマー国民と合弁形態によって行うことができる投資活動に該当することが明示されている。ミニマーケット及びコンビニエンスストアは「外国投資家(foreign investor)」が行うことができない投資活動に含まれるが、外国企業が投資していても、その投資割合から外国投資家に該当しなければよいということになるのであろう。卸売業については、対象製品等により規制業種として規制されているものがあるが、それ以外については通達草案に触れられていない。新投資法規則(Myanmar Investment Rules)草案によると、通達に含まれない投資は規制業種とならないため、一般的には規制を課さない趣旨であろうか。通達草案は草案段階であるため今後変更され得るし、施行されても実務動向を注視していく必要がある。
(2)タックス・インセンティブ対象区域
新投資法の下では、ミャンマー投資委員会(Myanmar Investment Commission)(MIC)が定めた投資を奨励する産業についてタックス・インセンティブが付与され得るところ、タックス・インセンティブの期間は投資対象区域により以下の通りに区分されている。
Zone 1(後進発展区域) |
事業開始年を含む7年間の所得税免除 |
Zone 2(中間発展区域) |
事業開始年を含む5年間の所得税免除 |
Zone 3(先進区域) |
事業開始年を含む3年間の所得税免除 |
MICは、2017年2月22日に通達(Notification No. 10 / 2017)を公表し、各管区・各州内のタウンシップ毎に該当するZoneを決定した。該当するZoneの詳細は以下のウェブサイトに掲載されている。