金融庁、金融審議会公開買付制度・大量保有報告制度等
ワーキング・グループ 第3回
―公開買付制度改正に係る主要な論点等―
岩田合同法律事務所
弁護士 深 沢 篤 嗣
1 はじめに
本WGは、2006年以降大きな改正がなされていなかった公開買付制度・大量保有報告制度について、この間の環境変化により生じた課題を踏まえた制度の在り方について検討を行うものである。本WGは、本稿執筆時点で3回開催され、第2回会合までの資料及び議事録並びに第3回会合の資料が公表されている。
以下、これまでの会合で議論された検討課題のうち、主要なものについて解説する。
2 第3回会合資料で検討課題とされている論点
第3回会合については、上記のとおり、議事録が未公表であることから、事務局資料に示された論点について紹介する。
⑴ 現状の公開買付制度の概要
まず、我が国の公開買付制度の概要を示すと、公開買付が強制される取引は、下図の「5%ルール」及び「3分の1ルール」と、後述の「急速な買付け等」で構成されている。
(出典:本WG第3回会合 資料2「参考資料」5頁)
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(ふかざわ・あつし)
岩田合同法律事務所パートナー。2008年慶應義塾大学大学院法務研究科修了。2009年弁護士登録。2013年4月から2014年3月まで、金融庁証券取引等監視委員会取引調査課に出向、インサイダー取引、相場操縦行為等の調査に携わる。金融法務、企業法務等を専門とする。
岩田合同法律事務所 https://www.iwatagodo.com/
<事務所概要>
1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。
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