東証、特設注意市場銘柄制度の見直しに係る上場制度整備方針を発表
――指定解除要件明確化など来年1月実施予定・意見募集開始、「特設注意市場銘柄」は「特別注意銘柄」へ――
東京証券取引所は10月26日、特設注意市場銘柄制度の見直しに係る上場制度整備方針を発表するとともに11月25日までの意見募集を開始した。原則として「2024年1月を目途に実施」される予定である。
同日付で公表された「上場会社の内部管理体制等の改善の実効性向上に向けた特設注意市場銘柄制度の見直し等について」によると、同制度を巡っては(α)内部管理体制等の改善について従前よりは早期に完了している傾向にあるところ「体制整備すら未了のまま1年経過後の審査を迎え、指定を継続する事例」が一定程度生じている、(β)解除審査の時点においては内部管理体制等の改善が認められるものの「事業の継続性や収益性等の問題により、今後においても、整備された内部管理体制等が維持され、適切に運用されるかどうかについて継続的な確認が必要と考えられる事例」が生じている――とする課題が指摘。今般、上場会社の「内部管理体制等の適切な整備に加えて、適切な運用を求める」観点から指定解除要件の明確化、経過観察期間の新設などを主軸とする改正を行い、伴って「特設注意市場銘柄」の呼称を「特別注意銘柄」へと改めるものである。
東証においては2006年~2007年、当時の市場状況などに鑑み、上場制度整備の基本方針として(ア)2006年6月22日付「上場制度総合整備プログラム」を公表するとともに(イ)同プログラムおよびこれに基づく諸規則の改正を踏まえて上場制度整備懇談会(座長・神田秀樹学習院大学法務研究科教授〔当時〕)の提言を受け取りまとめた2007年4月24日付「上場制度総合整備プログラム2007」を公表。上場制度総合整備プログラム2007に基づいては、とくに現在の諸制度の原型となる大幅な枠組みの見直しが行われ、(a)自主規制業務の東京証券取引所自主規制法人(現・日本取引所自主規制法人)への委託、(b)有価証券上場規程における企業行動規範の新規制定・織込みなどとともに(c)上場規則の実効性の確保に係る対応として「特設注意市場銘柄の指定等」の措置が導入された(東証において2007年10月17日付公表・11月1日施行「上場制度総合整備プログラム対応及び組織体制の変更に伴う業務規程の一部改正等について」など参照)。
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東証、上場会社の内部管理体制等の改善の実効性向上に向けた特設注意市場銘柄制度の見直し等について〔24年1月を目途に実施〕
https://www.jpx.co.jp/rules-participants/public-comment/detail/d1/20231026-01.html