SH4733 金融商品取引法等の改正が成立(顧客本位の業務運営に関する改正等) 森下国彦/後藤洋一郎(2023/12/13)

組織法務ディスクロージャー

金融商品取引法等の改正が成立(顧客本位の業務運営に関する改正等)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所*

弁護士 森 下 国 彦

弁護士 後 藤 洋一郎

 

1 はじめに

 「金融商品取引法等の一部を改正する法律」[1]が2023年11月20日に成立し、同月29日に公布された(令和5年法律79号。以下「本改正法」という。)[2]。本改正法は、大きく以下の3つの内容から構成される。

 

⑴ 顧客本位の業務運営の確保・金融リテラシーの向上
  1. ・ 金融審議会「顧客本位タスクフォース」中間報告[3](以下「顧客本位TF中間報告」という。)の提言を受けた改正。
  2. ・ 主な改正内容は、金融業種横断的な誠実義務の法定、顧客への情報提供の充実等。  
⑵ 企業開示制度の見直し
  1. ・ 金融審議会「ディスクロージャーワーキング・グループ」報告[4](以下「ディスクロージャーWG報告」という。)の提言を受けた改正。
  2. ・ 主な改正内容は、四半期報告書の廃止(取引所の決算短信との一本化)等。
⑶ その他のデジタル化の進展等に対応した顧客等の利便向上・保護に係る施策
  1. ・ 金融審議会「市場制度ワーキング・グループ」中間整理[5](以下「市場制度WG中間整理」という。)および同第二次中間整理[6](以下「市場制度WG第二次中間整理」という。)の提言を受けた改正。
  2. ・ 主な改正内容は、ソーシャルレンディング等に関する規定の整備、トークン化された不動産特定共同事業契約に基づく権利のみなし有価証券化等。

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(もりした・くにひこ)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー。1981年東京大学法学部卒業。1986年弁護士登録(第二東京弁護士会)。1993年東京大学大学院法学政治学研究科修士課程(専修コース)修了。金融法委員会委員(現共同代表)、金融法学会所属。

 

(ごとう・よういちろう)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。2011年東京大学法学部卒業。2011年から2023年まで国内信託銀行勤務。2017年コーネル大学ビジネススクール(MBA)修了。2022年弁護士登録(東京弁護士会)。

 

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/

<事務所概要>
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業は、日本における本格的国際法律事務所の草分け的存在からスタートして現在に至る、総合法律事務所である。コーポレート・M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、知的財産、労働、紛争解決、事業再生等、企業活動に関連するあらゆる分野に関して、豊富な実績を有する数多くの専門家を擁している。国内では東京、大阪、名古屋に拠点を有し、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ等のアジア諸国に拠点を有する。

<連絡先>
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* 「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業および弁護士法人アンダーソン・毛利・友常法律事務所を含むグループの総称として使用

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