SH4752 欧州理事会、Data Actを採択、数週間内に公布へ 中崎尚(2023/12/25)

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欧州理事会、Data Actを採択、数週間内に公布へ

アンダーソン・毛利・友常法律事務所*

弁護士 中 崎   尚

 

 2023年11月27日、欧州理事会は「データへの公正なアクセスと利用に関する調和された規則に関する新規則」(a Regulation on harmonised rules on fair access to and use of data、通称「Data Act」)を採択した。数週間内に公布され、掲載後20日目に発効、発効日から20カ月後に適用される予定である。

 

1 これまでの経緯

 2020年2月、欧州委員会は「データに関する欧州戦略」(A European Strategy for data)を公表した。[1]同戦略に基づき、欧州では、重要な法令の整備が進められてきた。一つ目は2022年5月に成立、同年6月に施行された「欧州のデータガバナンスに関して規定し、規則(Regulation(EU) 2018/1724)を改正する欧州議会および理事会規則Regulation (EU))(2022/868 of the European Parliament and of the Council of 30 May 2022 on European data governance and amending Regulation (EU) 2018/1724、通称Data Governance Act)[2]、二つ目が今回採択されたData Actである。

 Data Governance Act、Data Actともに、欧州一般データ保護規則(GDPR)と同様、EU法上の「規則」(Regulation)であり、「指令」(Directive)とは異なって、EU各加盟国において、特段の立法措置なく国内法として効力を有する。Data Governance Actに関しては、2023 年9月24日から各加盟国で適用が開始されている。

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(なかざき・たかし)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所スペシャルカウンセル。東京大学法学部卒、2001年弁護士登録(54期)、2008年米国Columbia University School of Law (LL.M.)修了、2009年夏まで米国ワシントンD.C.のArnold & Porter法律事務所に勤務。復帰後は、インターネット・IT・システム関連を中心に、知的財産権法、クロスボーダー取引を幅広く取扱う。日本国際知的財産保護協会編集委員、経産省おもてなしプラットフォーム研究会委員、経産省AI社会実装アーキテクチャー検討会作業部会構成員、経産省IoTデータ流通促進研究会委員、経産省AI・データの利用に関する契約ガイドライン検討会委員、International Association of Privacy Professionals (IAPP) Co-Chairを歴任。2022年より内閣府メタバース官民連携会議委員。

 

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