SH5108 令和6年改正投資事業有限責任組合契約に関する法律の施行 龍野滋幹/小牧俊(2024/09/24)

そのほか

令和6年改正投資事業有限責任組合契約に関する法律の施行

アンダーソン・毛利・友常法律事務所*

弁護士 龍 野 滋 幹

弁護士 小 牧   俊

 

1 はじめに

 2024年9月2日、国際的な企業立地にかかる競争の激化等の経済情勢の変化に適切に対応し、新たな事業の創出および産業への投資の促進を通じてわが国産業の持続的な発展を図るため、「新たな事業の創出及び産業への投資を促進するための産業競争力強化法等の一部を改正する法律」の一部が施行(以下「本施行」という。)された[1]

 本施行の内容には、①中堅企業関連措置として、「中堅企業者」および「特定中堅企業者」に対するM&Aを行う際の税制優遇措置や金融支援、設備投資減税の整備、②スタートアップ企業関連措置として、産業革新投資機構(JIC)による有価証券等の処分期限の延長、国立研究開発法人(NEDO)によるディープテック・スタートアップの事業開発活動への補助業務の追加、投資事業有限責任組合(以下「LPS」という。)の取得可能資産への暗号資産等の追加や海外投資規制比率の見直し、ストックオプション・プールの創設、③企業横断的措置として、企業・大学等の共同開発に対する計画認定・助言等の整備等が含まれる[2]

 本稿では、上記のうち投資事業有限責任組合契約に関する法律(以下「LPS法」という。)の改正(以下「本改正」という。)に焦点を当て解説する。なお、本稿では、便宜上、本改正後のLPS法を「改正LPS法」といい、本改正前のLPS法を「改正前LPS法」と定義することとする。

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(たつの・しげき)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー。2000年東京大学法学部卒業。2002年弁護士登録(第二東京弁護士会)、当事務所事務所入所。2007年米国ニューヨーク大学ロースクール卒業(LL.M.)、2008年ニューヨーク州弁護士登録、2007年~2008年フランス・パリのHerbert Smith法律事務所にて執務。2014年から東京大学大学院薬学系研究科・薬学部「ヒトを対象とする研究倫理審査委員会」審査委員。国内外のM&A、ジョイント・ベンチャー、投資案件やファンド組成・投資、AI・データ等の関連取引・規制アドバイスその他の企業法務全般を取扱っている。週刊東洋経済2020年11月7日号「「依頼したい弁護士」分野別25人」のM&A・会社法分野で特に活躍が目立つ2人のうち1人として選定。

 

(こまき・しゅん)


アンダーソン・毛利・友常法律事務所アソシエイト。2019年弁護士登録(第二東京弁護士会)、当事務所入所。2022年8月~2024年3月金融庁総合政策局フィンテック参事官室イノベーション推進室・総合政策課出向。出向当時は、資金決済法、金融商品取引法等金融庁所管法令に関するフィンテック事業者からの法令照会を担当し、令和4年資金決済法の改正に伴う金融分野ガイドラインの制定や、併任の総合政策課の業務において、金融庁拠点開設サポートオフィスにて外国籍ファンドやファミリーオフィス等の金商業英語登録に関する法令照会や各種サポートに従事。出向後は、フィンテック・金融規制、ファンド関連の業務を主に担当。

 

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/

<事務所概要>
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業は、日本における本格的国際法律事務所の草分け的存在からスタートして現在に至る、総合法律事務所である。コーポレート・M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、知的財産、労働、紛争解決、事業再生等、企業活動に関連するあらゆる分野に関して、豊富な実績を有する数多くの専門家を擁している。国内では東京、大阪、名古屋に拠点を有し、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ等のアジア諸国に拠点を有する。

<連絡先>
〒100-8136 東京都千代田区大手町1-1-1 大手町パークビルディング

 


* 「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業および弁護士法人アンダーソン・毛利・友常法律事務所を含むグループの総称として使用

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